ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第275話

六百四十四頁目

 

 夜も更けてきて流石にクラフト作業を続けるのは困難なほど薄暗く……はならない。

 何せこの場所にも発電機が置かれて電灯で煌々と照らし出されているのだから。

 それでも余り夜更かしして朝起きるのが遅くなっては外で活動できる時間が減ってしまう。

 

 流石に外での活動は太陽が登っている時間じゃなければ危険すぎる……そのために早く寝て早く起きる必要がある。

 だからそれなりに麻酔矢と麻酔弾が溜まったところで誰が言うでもなく自然と……特に元々野生児で幼い故にか眠そうに欠伸を頻発するようになったマァの様子を合図に俺達は今日の活動を止めて眠りにつくことになった。

 ……だけどやっぱりこの狭い場所だと二人用に作った居住区で眠るのは難しい。

 

 仕方なく女性であるメアリーと子供であるマァに居住区のベッドは譲り、俺とオウ・ホウさんは二階の元孵化部屋で休むことにした。

 こちらは元々動物の子供を孵化させるように作ってあるだけあってスペースだけはそれなりにある。

 まあ豪雪地帯から持ってきたらしい受精卵が丁寧に、だけどかなりの数が置かれているから、それらを割らないように眠るのはちょっと大変そうだがこれぐらいは我慢しよう。

 

六百四十五頁目

 

 こうしてこの山肌の拠点で……その中の孵化部屋で夜を過ごしていると、フローラと共に居た頃のことを思い出してしまう。

 だからか今夜も妙に寂しさが込み上げてきて……そのたびに右手首の鉱石を眺めては仄かな輝きを感じては癒されることを繰り返していた。

 それでも中々寝付けなかった俺は、少し外に出て空でも眺めることにした。

 

 自然に囲まれたこの島から見る夜空は相変わらず綺麗で、そして空気も澄んでいるためか呆然と空を仰ぎながら深呼吸するだけで爽快感を覚える。

 しかし同時にフローラと共に空を眺めたことも思い出してしまい、隣に彼女がいないこと虚しさも湧き上がってくる。

 やはりこの島にはフローラと共に作った思い出が多すぎる……何をしていても彼女を失った喪失感を思い出してしまう。

 

 おかげでどうにもスッキリせずに孵化部屋の屋根の上から空を眺め続けて居たところ、下から聞き覚えのある……女性の声が聞こえてきた。

 反射的に顔を向けた俺はそこにフローラ……ではなくてメアリーの姿を見つけた。

 どうやら彼女も久しぶりにこっちに来たことと、最近不安になることが多かったために色々と考えてしまい眠れずにいたようだ。

 

 そして俺に向かって、自分も少し気を紛らわしたいからそっちに行ってもよいかと尋ねて来て……寂しさを覚えていたためか俺は無意識のうちに頷いてしまうのだった。

 ……当然そこからは右手首が……いや、まあとにかくおかげで気は紛れたからこれなら眠れそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 追記?

 

 もぉ……確かにメアリーさんは魅力的な女性だし、そんな人に頼られたら悪い気がしないのは分かるけど……あんまり鼻の下伸ばさないでよ……馬鹿ぁ……。

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