六百四十六頁目
一体何が起きたのか、最初は全く分からなかった。
ただ朝起きた際に何故か右手に日記が握りしめられていた。
常に身に着けているだけに、てっきり寝ぼけて取り出してしまったのかと思いつつ最後に書いたページを開いて……何故か書いたおぼえの無い文字が綴られているのに驚いてしまった。
しかもその文字は……鉱石のおかげで内容自体は問題なく理解できたけれど、俺がほとんど扱えないはずの英語で記されていたのだ。
だからこれは俺の意志で書けるはずがないもので、寝ぼけて書いたわけではないのだとはっきりわかった。
おまけに他の三人に……念のために文字を書けないマァにまで心当たりがないか尋ねたが、誰もが首を横に振った。
つまり誰かの悪戯でもない……じゃあまさかこれはフローラが……右手首に埋め込んだ鉱石が本当に彼女の魂か何かを秘めていてそれが作用したというのだろうか?
そうであってほしいと心の底から思う……もしそうならば、それこそ彼女を再び生き返らせられる可能性がほんの僅かだが増えて……フローラ……君とまた会えるのなら俺は……。
六百四十七頁目
フローラの意志がこの鉱石に籠っているかどうかは分からないが、その辺りをはっきりさせるためにもこの島の管理人とは向き合わなければならないだろう。
それこそ本当に彼女を生き返らせれるとしても、そのためのテクノロジーは流石にそいつらしか持っていないだろうからだ。
今までは復讐を……倒すためだけに会いに行くつもりだったが、もしもフローラの復活が可能ならば俺はそいつらの望むままに動いたって構わない。
もちろん不可能だったり技術提供を拒否するようならばどんな手を使ってでも……とにかくどちらにしてもこの島の管理者とコンタクトを取るため今まで通り洞窟の攻略を進めていくべきだろう。
この島の管理人……待つ者とやらが何を求めているにしても洞窟の奥にアーティファクトを隠し、それを利用して起動させるオベリスクをわざわざ用意してある以上は、それをやってみろということなのだろうから。
奴らの望みが何で、どうしてこんなサバイバル生活の中で更なる試練染みた真似をしなければいけないのか……その辺りも含めて向こうの課してきた問題を全て乗り越えた暁には何かしらの答えが与えられるはずだ。
その果てにきっとこの島の管理人の情報も入ってくるだろう……そうやって待つ者とやらに確実に近づいて必ずフローラを取り戻す……或いは報いを受けて貰わなければならない。
この文字を見て余計に奮起した俺は、今まで以上に気合を入れて洞窟の攻略を進めて行こうと決意を固めるのだった。
だからこの毎日書いていた日記も、少しでも時間を節約するためにもう少し間隔をあけて書いて行こうと思う。
具体的には何か特別な変化が起きた時など……或いは何もない日は簡潔にまとめてもいいかもしれない。
ほんのわずかな差かもしれないけれど……もしもまた君に会えるのならば……一秒でも早く早く君に会いたいから……だから見守っていてくれフローラ……。
洞窟内で動物を育てる関係上、その時間を描写していたら非常に長引きそうなのでここから少しだけ簡潔にまとめていきます。
もちろん洞窟攻略やオベリスク関連、そして火山の中にある……に関しては今まで通りの密度で投稿するつもりです。