ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第278話

六百五十頁目

 

 メアリーは朝から晩まで精力的にクラフト作業から動物の育児などを行っている。

 まるでフローラの抜けた穴を埋めようとしているかのようだが、幾ら何でも一人では難しいだろうと俺達も夕方からは手伝うようにしている。

 それでも少しずつ物資の在庫が無くなりかけているから、数日ごとに丸一日かけて全員で物資の回収生産を行わなければいけないが、そのたびにメアリーは申し訳なさそうにしている。

 

 本当に謙虚になったものだ……もはや最初の頃の高飛車な態度は喋り方以外に見られないほどだ。

 これが良い事なのかはわからないが、少なくとも俺達の仲間として頑張ってくれていることは痛いほどに伝わってくる……うん、あんまりにも親し気に接してくるものだから特に右手首がね……。

 まあ段々その痛みにも慣れてきたというか……最近はフローラがそこに居て抓っているような気がするぐらいだ。

 

 ただ残念ながらというか、期待しているのだけれどあれ以来一度も日記に見覚えのない文章が書き足されることはない。

 いつかまた何かああいうことが起きるのではないかと日記のページを使い切らないよう倹約しているのだけれど……やっぱりあれはただの……考えると落ち込みそうだから止めておこう。

 

六百五十一頁目

 

 そう言えば捕獲したあの超巨大な肉食だが、何と運がいい事に……個人的には複雑な心境だがどうやら雄のようだ。

 前に捕まえた奴は雌だったから雌雄が揃ったことになり、理論上は繁殖が可能な状態になっている。

 ただ一歩間違えると暴走しかねないあいつを何も考えず増やすのは危険すぎるため、専用の金属で作った建物を作る必要があった。

 

 その為の資源には金属のインゴットとセメントが大量に必要になる……何せあのサイズの生き物を屋内で育てるとなれば、それ相応の大きさに作らなければいけないのだから。

 そしてもう一つ、豪雪地帯であり北西の端に近い場所にいるこいつと南東の端近いマグマの洞窟付近にいる雄をどう引き合わせるかも問題だった。

 流石に身体が大きすぎてケツァ君で運ぶのは難しそう……というか背中に作った動物の運搬スペースに乗りきらないぐらいだ。

 

 まあこいつはサイズのおかげで歩く速度も遅くはないし、地上を歩く上では敵らしい敵は居ないから最悪はこちらはアルケンAあたりに乗って追従させてながら強引に合流させるのも無理ではないだろう。

 ただどちらにしてもこいつらを繁殖させる場所が完成させなければ話にならないから後回しにしているが……その繁殖場所もどこに作るかは悩みどころだ。

 安全だけれど大量の生肉を確保しづらい南側に作るか、危険だけれど幾らでも動物を狩れる豪雪地帯側に作るか……まあその辺りのことも建物が完成するまでに考えればいい。




【今回名前が出た動物】

ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
ケツァルコアトルス(ケツァ君)
アルゲンダヴィス(アルケンA)
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