ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第280話

六百五十三頁目

 

 化学作業台を二つ作ったのは正解だったようで、火薬製造専門にすることで一気に弾薬を作る効率が跳ね上がった。

 ただ製造スピードが上がったせいで今度は逆に火薬の材料となる木炭と、発火粉の元となる火打石と石の採取が追い付かなくなりつつある。

 特に工業炉で一気に燃やしてこそいるが完全に燃え尽きるまで時間が掛る木炭と、これだけを採取する方法の無い火打石の確保が問題だ。

 

 また弾薬を作る際に金属のインゴットも利用するのだけれど、インゴットも工業炉で金属鉱石を溶かさなければいけないのだけれどそれにどうしても時間が掛ってしまうのに、他にも色んな物をクラフトする際に使わなければいけない関係上、幾ら量があってもどうしても不足しがちになってしまう。

 金属鉱石自体はあちこちから採取してくれば幾らでも数は賄えるのだが……特に最近になって尻尾がハンマーになっているアンキロサウルスに砕いてもらうとピッケルでは細かく砕けすぎて使えなくなってしまう分までも効率的に採取できることが分かっているのでこちらは問題なさそうだ。

 だから焼き上がりに掛かる時間をどうにか短縮したいところだけれどこればっかりは何も思い浮かばない……化学作業台のように二つ目を作るという方法以外はだ。

 

 だけど工業炉は化学作業台とは比べ物にならないほど大量の物資を使う……それこそ不足しがちな金属のインゴットも大量に使わなければならないのだ。

 逆に弾薬の量を求めなければ一台でも十分な気もするけれど、オートタレットに補充する分を思えばやはり工業炉も二つ目を作るべきだろう。

 ただ製造のタイミングをいつにするかは考えなければ……今すぐ作ったりして、その後で別の設備なり何かクラフトする必要が出てきた際に物資が足りないなんてことになったら困るのだから。

 

 それに弾薬づくりのためには火打石の量産方法か効率的な採取方法も見つけなければ意味がない。

 今までの経験からすると、岩を砕いて火打石だけを効率的に採取できる動物を見つけるか、或いは新しい設備で何とか賄うかだが……。

 そう思いながら左手首の鉱石を眺めても具体的に作りたい物を思い浮かべているわけではないためか、特に反応はなかった。

 

 ……だけど右手首の鉱石を眺めたらまるで助言するかのように淡く光って……それを見たらふと思いつく。

 アルマジロが岩を砕くと器用に石として使えるサイズにしてくれる……あれを細かく鋭く火打石として使えるように粉砕する何かを作れば……そう考えながら改めて右手首の鉱石を眺めると今度こそ工業用破砕機とでもいうべき設備の作り方が思い浮かんだ。

 こいつを作れば火打石も……いやだけどこれもまた大量に物資を使わなければ作れなそうだ……下手したら工業炉以上に……。

 

 仮に作るとして一体どっちを優先すべきか……仲間達と相談して決めるとしよう。




【今回名前が出た動物】

アンキロサウルス
ドエディクルス(アルマジロ)
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