ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第289話

六百六十七頁目

 

 深海へと戻った俺達を出迎えたのは、あれほど探し回っていたモササウルスだった。

 急に湧いて出てびっくりしたが、恐らくこれはあのクジラもどきにまとわりついていたエイ達をたくさん狩ったことでその分の生き物を補充しようと島のシステムが動いた結果かもしれない。

 或いは俺達が一瞬この場所を離れたから……採取した草木なども俺達の見ていない所で再生していることを思えばその可能性もありそうだ。

 

 まあどちらにしても好都合なのに変わりはないので、とりあえずそれ以上深く考えることもなく捕獲作業を始めることにした。

 やり方は今までと変わらない……地形や建材などで足止めできないため、動物達を壁にして後ろから麻酔矢で打ち抜くのだ。

 もちろんサメ達には攻撃を受けても反撃しないように指示を出してある……じゃないと即座に返り討ちにしてしまうからだが、こうなるとモササウルスはその巨体から強烈な攻撃を繰り出して一方的にサメ達を殴ってくる。

 

 集団でまとまることでサメ達は攻撃に関しては圧倒的な力を発揮しているが、身の守りに関してはそこまで強化されていない。

 そのせいで今度はサメ達がボロボロになって行き……数の差を活かして死なないようにローテーションで攻撃を受け止めさせるが、その際に間違えてクジラもどきを前に出してしまった。

 流石にこいつを殺すのは不味いと慌てて引き戻したが、それに追随する形でモササウルスまで俺達の方に迫ってきてしまう。

 

 その間もずっと麻酔矢を撃ち続けているが、身体がデカいだけあってか中々麻酔が全身に行き渡らないようで未だに逃げ出そうともしない。

 このままでは普通に距離を詰められて俺達が直接攻撃を喰らってしまう……尤もサメ達に攻撃を指示すればその前に一瞬で退治してくれるだろうけれど……ようやく見つけた一体なだけに仲間にせず倒してしまうのは勿体ないと思ってしまう。

 だからどうしても攻撃の指示を出せないまま、少しでも時間を稼ごうと浮上することで距離を保ちつつ、どこか祈るような心境で麻酔矢を撃ち続けた。

 すると不意にモササウルスが俺達に背を向けて逃げ出した……ようやく麻酔が効いてきたようだ。

 

 これなら後は見失わないように追いかけて麻酔矢を撃ち続ければ……そう思って奴の後を追いかけようとしたその時、何故か急にモササウルスが振り返って……こちらに猛烈な勢いで向かってきた。

 い、一体何が起きているんだっ!? 何で眠りかけで逃げたはずの個体が……ま、まさかフェイント……俺達を嵌めるための罠だったのかっ!?




【今回名前が出た動物】

モササウルス
マンタ(エイ)
バシロサウルス(クジラもどき)
メガロドン(サメ)
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