ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第290話

六百六十七頁目

 

 急なモササウルスの行動には驚かされた……本当に肝が冷えたし、あと一歩で攻撃命令を出してしまう所だった。

 しかしあの後、俺達が反射的に距離を取ろうと再度浮上したところ再びモササウルスは背中を向けて立ち去ろうとしたのだ。

 この妙な行動に首を傾げながらも、慎重にまた近づこうと距離を狭めるとまたこちらに向き直ってきて……その辺りのことを詳しく検証したところ、どうやらこいつは一定以上の深度には浮上しないということが分かった。

 

 そこでふと思い出したのは前に俺を追いかけていた首長竜やマァを洞窟から追いかけてきていたモササウルスの群れも、同じように途中で引き返していたことだった。

 その際に深海の生物だから浅瀬には近づけないのではと軽く考察していたが……まさかここまで露骨に引き返すとは思わなかった。

 或いは仲間にした後も浮上させることは出来ないのかもしれないが、今まさに捕獲する段階においてはこれは好都合すぎる。

 

 その習性……ありがたく利用させてもらうとしよう。

 

六百六十八頁目

 

 ある程度の水深を行ったり来たりすることで、モササウルスの動きをけん制しながら安全に麻痺矢を撃ち続けることができた。

 これなら麻酔矢さえ尽きなければ問題なく……と思ったところでついに向こうは他の生き物と同様にフラフラとした動きでその場から逃げ出そうとした。

 どうやら今度こそ全身に麻酔が行き渡ったようだ……後は逃がさないように三人で囲い込むようにして相手の行動をけん制しながら眠るまで麻酔矢を放ち続けけてやった。

 

 そしてついにモササウルスはぐったりとして動きを止めて、その場で眠りに落ちていった。

 早速そのモササウルスの口元に大トロを運ぶと問題なく食べ始めてくれて……それを確認した所で俺達はもう一度浮上することにした。

 何だかんだで動物たちは結構怪我をしてしまったから、その中でも特に傷の深い子は安全な浅瀬で休ませようと思ったのだ。

 

 特に仲間にしたばかりなのにいきなり傷だらけにしてしまったクジラもどきは休ませてあげなければ……こんなことで能力も確かめないうちに倒れられても困る。

 ただ問題はここから離れたらこの場所が分からなくなりそうだという点だった……水中は陸上よりずっと目印が少なくて迷いやすいのだから。

 せっかく眠らせたのに居場所が分からなくなったら何の意味もないどころか今までの苦労が水の泡になってしまう。 

 

 だからまっすぐ浮上したところに傷の浅いサメ軍団を目印代わりに残してから、改めてマグマの洞窟前へと移動するのだった。




【今回名前が出た動物】

モササウルス
メガロドン(サメ)
バシロサウルス(クジラもどき)
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