ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第291話

六百六十九頁目

 

 どうやら新しく仲間にしたクジラもどきはかなり優秀な能力の持ち主のようだ。

 体内で原油を定期的に精製してくれるだけにとどまらず、何と傷の治りも異様に早いのだ。

 実際に浅瀬へと連れていき休ませようとしたところ、見る見るうちに傷が癒えていきあっという間に全回復してしまった。

 

 しかし水中にいた時にはここまで露骨に怪我が治る様子はなかったのだが……クジラに似ているだけあってか、直接顔を出して呼吸するのが身体によかったのだろうか……それとも豚のようにこの島の管理人が意図した能力……いや今更この島の生態について深く考えても仕方がない。

 とにかくこの特徴は活かせそうだ……こいつも見かけたらできるだけ仲間にしていくことにするとして、当初の予定通り傷付いたサメ達を残して再度深海へと潜る俺達。

 そして眠らせたモササウルスの面倒を見つつ、軽く近くの深海を探索して……今度は首長竜を見つけることができた。

 

 こいつも或いはと思ってモササウルスの時のように浅瀬へと誘導して見ると、途中で引き返し始めたではないか。

 もちろんこの習性を利用することで、俺達は安全に首長竜を仲間にすることに成功した。

 これならモササウルスも首長竜も見つけさえできれば幾らでも仲間に出来そうだ……ひょっとしてあの巨大なイカも同じように仲間に出来るのではないだろうか?

 

 見つけたら試すとして、今はとにかくモササウルスと首長竜の仲間を増やしていくことにしよう。

 

六百七十頁目

 

 捕獲の方法が確立した途端、急に物事が順調に進み始めた。

 あれから二匹目のモササウルスと首長竜を見つけることが出来て、これも無事眠らせて餌を与えることに成功したのだ。

 するとそのタイミングで最初に眠らせたモササウルスが目を覚ましたが、これも問題なく俺達に懐いてくれてそのまま仲間に加わってくれた。

 

 早速その性能を試そうとサドルを作ろうと思いながら左手首を眺めたが……やはりこれも製作には金属のインゴットが必須のようだ。

 だから今日のところは作るのを諦めて、とにかく素の状態でどこまでやれるか試してみることにした。

 とりあえず軽く浮上したところにいた野生のサメにけしかけるが、群れていない状態のサメならば一方的に蹂躙できるようだ。

 

 見た目にたがわぬ力強さと逞しさを再確認した所で、ふと右手首の鉱石が淡く光った気がした。

 フローラも何か思うところがあるのかとじっと見つめてみると、ふとこれほどの巨体と力があるのならばケツァ君のように背中に色々と乗せれるのではないかと思えてきた。

 そしてその為のプラットフォームサドルの作り方も思い浮かんで……そう言えばあのケツァ君の背中に乗せているプラットフォームサドルも彼女の考案だった……どうやらよほど移動拠点がお気に入りのようだ。

 

 しかし水中起動要塞……悪くはないけれど、筏の時のようにあの鯨のごとき巨体な奴が襲い掛かって来そうでちょっと怖い。

 何より使う資材の量も普通のサドルよりずっと多くなるだろうし、そこまでして水中に拠点を作る意義は……って、なんか右手首の光が赤くなってちょっと重くなってるような……まさか拗ねてるのかフローラ?

 少し困っていたところでオウ・ホウさんがこちらに気付き声を……掛けられない水中のため事前に決めたサインで俺の体調を気遣いつつ、海面を指し示しながらそろそろ切り上げようかと尋ねて来る。

 

 確かに日も落ちて来て辺りも薄暗くなってきたし、何より当初の目的通り人数分のモサと首長竜は確保したから……と思ったところで海底の方からこちらに向かって巨大な触手が伸びてきているのが見えた。

 もちろんその大元にはイカの身体が……ちょうどいい、最後にあいつを捕獲してから戻るとしよう。

 

 そう思いながらクロスボウを構えようとして……やっぱり右手が重くて上手く動かせない。

 ……分かったよフローラ、水中移動要塞については帰ったらみんなに相談するから……機嫌直してくれよフローラぁ。




【今回名前が出た動物】

バシロサウルス(クジラもどき)
ダエオドン(豚)
モササウルス
メガロドン(サメ)
モササウルス
プレシオサウルス(首長竜)
トゥソテウティス(巨大イカ)
ケツァルコアトルス(ケツァ君)
リードシクティス(クジラのごとき巨体な奴)
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