ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第293話

六百七十二頁目

 

 怪我の功名とはこのことだろうか……まさか本当にこんなやり方で巨大イカを仲間にすることができるなんて……。

 サメを拘束している間、イカは無防備に近い状態だった。

 だからその隙に俺達は慎重に胴体部分に近づき、口と思わしき場所に近づき黒真珠を流し込んだのだ。

 

 すると思った通り、前とは違い次から次へと黒真珠を食べ始めてくれてたのだ。

 こうなれば後は拘束されているサメの体力に注意するのと、イカが違う行動に出たり他の動物の襲撃が起こりそうになった場合に別のサメに乗って逃げられるよう身構えておけば問題はない。

 そうして黒真珠を与え続けたところ、時間こそ掛かったがついにこちらへと懐かせることに成功したのだ。

 

 これで海底洞窟を攻略する準備は万全と言っていいだろう。

 尤も新しく捕まえた四種類の生き物たちの性能を把握しきっていないのでその点だけはちょっと気になる所だが……流石にもう日が暮れようとしていて水中にいては遠くを見通すのも厳しくなってきた。

 この辺りのことは明日サドルを作ってから洞窟のある場所へ移動する最中に試すことにして、今日のところはもう切り上げて拠点に戻ることにした。

 

 その際に安全確保のためいつも通りマグマの洞窟前まで移動したのだが、仲間になったこの子達は何の問題もなく浅瀬まで付いて来てくれた。

 どうやら深海の水圧が無ければ生きられないというわけではないようだ。

 ならばどうして野生の個体が一定の水深から上がってこないのか不思議に思えるが、この辺りもこの島にいる生き物が何かしらの意図をもって作られていると思えば何となく想像がつく。

 

 恐らくこの島に辿り着いたばかりのサバイバルに慣れていない人間に対する最低限の配慮なのだろう……水を飲もうと水辺へ寄ったところでいきなりこんな生き物に襲われてはまともに生きてもいけないだろうから。

 海はこの島を取り囲むように存在している関係上、陸上の生き物と違って場所によって強者の生息域を区切るのも難しかったというのもあるのだろう。

 どちらにしてもこちらとしては好都合なのでマグマの洞窟付近の浅瀬に浮かべている筏に追従させる形で待機させておくことができた。

 

 何よりここまで上がって来れるということは、背中にプラットフォームサドルを付けての拠点建造も容易いというものだ……もし水中から顔を出せないようなら水中で建造しなければいけなかったが、流石にそれは難易度が高すぎだ。

 ……本格的に水中移動要塞の建造を考えてみてもいいかもしれない……フローラも喜ぶだろうし……。




【今回名前が出た動物】

トゥソテウティス(巨大イカ)
メガロドン(サメ)
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