ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第297話

六百七十七頁目

 

 岩壁にぽっかりと空いている洞窟の入り口は、確かに他の洞窟と比べてはるかに大きくどんな生き物でも入って行けそうに見えた。

 それこそ陸上生物だから無理だけれど、あの超巨大な肉食ですら何匹も並んで入って行けそうですらある。

 だから巨大イカやモササウルスは元より、四十匹を超えるサメ軍団を引き連れたままでも問題なく進むことが出来てしまう。

 

 それでも念のために二十匹程度の集団に分けて前衛と後衛に回し、その間を俺達が騎乗した生き物&クジラもどきという編成で洞窟の中へと踏み込んでいった。

 しかし水中ということもあって、今までと比べて中々進むのが難しい。

 一応こっちにも陸上とは別種のようだが光る植物のようなものがあちこちに自生しているので視界はギリギリ確保できているが、前後左右の方向だけ気を付ければよかった陸上とは違い、こちらでは上下という概念まで加わってくるのだ。

 

 おまけに追従するサメ軍団が視界を遮ったりするし、彼らの管理をしながら進行方向を確認するのは結構難しく、おかげで入ったばっかりのところは一本道のようだったのにどちらから入ってきたか一瞬迷いそうになってしまったほどだ。

 この調子だとかなり苦労しそうだ……海底という非常に厳しい環境にある洞窟だから難易度が高いだろうとは思っていたが、まさかこれほどだとは……。

 しかも何とか右手の壁越しに進んである程度奥に入った途端、無数の動物たちがいつも通り……いややはり陸上の時以上の規模で襲い掛かってきた。

 

 サメにアンコウは元より首長竜やモササウルスもいて、更にそいつらの隙間を縫うようにここにもピラニアがわんさか……これもまた厄介極まりない。

 洞窟が大きいだけにこちらもたくさん連れ込める分、洞窟内の敵の規模も大きいようだ。

 しかも実際に戦闘して見ると毒ガス洞窟にいる奴らのように、洞窟の外にいた同種の生き物より強力みたいでサメ軍団の攻撃を受けてもい一瞬では倒れずにほんの僅かにだが反撃して見せるほどだった。

 

……環境が厳しい分だけ少しは気を使ってくれてもいいと思うが、やはりこの島の主にそんな温情は期待しないほうが良さそうだ。

 

六百七十八頁目

 

 敵は強いがそれでもサメ軍団は確実に相手を血祭りにあげてくれて、俺達の進む道を切り開いて行ってくれている。

 この調子なら問題なくどんどんいけそうだ……一瞬はそう思ったが、この島の洞窟がそんな甘いわけがなかった。

 果たしてさらに進もうとしたところで、先の方から紫電を伴った発光が見えて来て……今度はクラゲとデンキウナギの群れが姿を現してきた。

 

 本当にこの凶悪生物までも配置されているとは……流石にこいつらはサメ軍団でも分が悪い。

 何せ電撃攻撃はこちらの噛みつき等の攻撃と違って、周辺一帯を一度に攻撃できてしまうのだ。

 おまけにそこへ痺れというこちらの行動を制限する効果まで乗っている……もしこれがゲームなら運営に弱体化を要求したくなるだろう。

 

 まあこの島の主がそんな要求を受け入れてくれるはずも無いし、そんなことを考えてる暇があったら淡々と対処してしまおう。

 やり方は麻痺の効果の薄い巨大イカとクジラもどきを前に出して戦ってもらい、その隙に後ろから俺達がクロスボウで打つという物だ。

 この二匹の内、特にクラゲは攻撃こそ凶悪だが身体は柔らかいので遠距離から射貫けば簡単に倒すことはできる。

 

 だからこれもまた問題なく……どころかむしろクジラもどきが一方的に敵を全て蹴散らしてくれた。

 どうもこいつはイカと違い、電撃に耐性があるどころではなく完全に無効化してしまっているようだ。

 おまけに攻撃できる範囲も広いから電撃を浴びせつつ群がってくるクラゲやデンキウナギを楽に一掃できてしまう。

 

 本当に優秀過ぎる子だ……というか、やっぱり水中生物はこいつだけ仲間にすれば済んでしまうんじゃないか?




【今回名前が出た動物】

ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
トゥソテウティス(巨大イカ)
モササウルス
メガロドン(サメ)
バシロサウルス(クジラもどき)
アンコウ
プレシオサウルス(首長竜)
メガピラニア(ピラニア)
クニダリア(クラゲ)
デンキウナギ

【今回登場した洞窟】

CavernsOfLost Hope(狡猾の洞窟)
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