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クジラもどきの有能さを噛み締めながら更に先へと進んだところで、すぐにやはりこいつだけでは戦力的に不安だということに気付かされる。
というのも進行方向から今度は特殊個体のサメと、同じく特殊個体のモササウルスが同時に姿を現してきたのだ。
しかもまるで部下のようにクラゲを引き連れていて、おまけに特殊個体だからか傍にいるクラゲの電撃の影響を受けることもなく全く移動速度を落とすこともなく通常個体より遥かに早い速度で襲い掛かってくるではないか。
流石に特殊個体が二匹同時ともなればクジラもどきだけの戦力では非常に厳しい戦いになっていただろう……サメ軍団を連れてきていて本当に良かった。
もちろんサメ軍団ではクラゲには敵わないからこちらだけでも駄目だったはずで、やはり一種類に頼るのではなく色々と用途ごとの生き物を複数連れて歩くのが正解だと痛感させられる。
今回も少し下がることで移動速度の遅いクラゲと速すぎる特殊個体を分断させると、すぐに特殊個体の方をサメ軍団に襲わせた。
そしてサメに群がられて特殊個体が動けなくなっている隙に、クジラもどきだけにクラゲを攻撃するよう指示を出しつつ俺達もまたクロスボウでクラゲを射抜いて一掃させる。
基本的に戦力的には十分揃っているから、こいつらに麻痺させられなければ負ける要素はない……逆に言えばどれだけ余裕があってもクラゲ達の電撃を喰らったら一気にピンチになるということだから本当に注意しないといけないが……。
とにかくこのやり方でクラゲを倒し終えた時には襲ってきていた二体の特殊個体もサメ軍団が倒し切ってくれていて、ほっと一息つくことが出来た。
そして改めて周囲を見渡して敵の数が見えないことを確認すると、まず特殊個体の死体から黒真珠などをしっかり回収してからまた右側の壁に沿って先へと進み始める俺達。
果たしてそれからも少し進むたびに敵に襲われて……今度は巨大イカの特殊個体なども混ざって襲ってきたりもしたが、おおむね問題なく処理することができた。
しかし次いでサメの特殊個体が通常個体の群れを引き連れながら襲ってきた時は敵と味方のサメが入り混じっての大乱戦になって少しだけ身の危険を感じた。
それでも俺の乗っている巨大イカが後ろから触手を伸ばして敵のボスである特殊個体を絡めとり動きを封じた上で連続攻撃をして一方的に倒し切ると、向こうは群れとしての力を失ったために個別に撃破することに成功したのだった。
……この巨大イカは攻撃の仕方こそ癖があるが上手く決められれば触手で絡めとっての連続攻撃は恐ろしく強い……逆に首長竜とモササウルスが前に出れないこともあってあまり役立ってない感がしてしまう。
群れのボーナス&出血させられるために凄まじい戦力を誇るサメや麻痺無効化に加えて複数の特殊能力があるクジラもどきに電撃に耐性がありつつ連続攻撃と触手で相手を拘束できる巨大イカ……それに比べると何の能力もない首長竜とモササウルスが活躍できないのは仕方がない事なのかもしれないが……。
まあこいつらは背中にプラットフォームサドルを付けられるからそれからが本領発揮なのかもしれない。
……ぶっちゃけ電撃や麻痺に耐性がない時点で貴重な素材を使って水中移動要塞を作るのは逆に危ない様な……い、いや今はこれ以上考えるのは止めておこう……洞窟内で右手が重くなったらシャレにならない。
【今回名前が出た動物】
バシロサウルス(クジラもどき)
αメガロドン(サメの特殊個体)
αモササウルス(モササウルスの特殊個体)
クニダリア(クラゲ)
メガロドン(サメ)
αトゥソテウティス(巨大イカの特殊個体)
トゥソテウティス(巨大イカ)
【今回登場した洞窟】
CavernsOfLost Hope(狡猾の洞窟)