ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第3話

九頁目

 

 便も問題なくお腹の調子もいい、とにかく水と食料の問題は解決したと思おう。

 とにかく今は変な疑問に悩んでいる時間はない、何故ならだんだん日が陰り始めて夕焼け空になりつつあるのだ。

 完全に夜になる前に安全な場所を用意しなければ……

 

 とはいえ初めて手を付ける家づくりは難航するばかりで中々先に進まない。

 そのうちにどんどん辺りが暗くなっていく、もう細かい作業はできないほどだ。

 このままでは移動もままならなくなる、もう家づくりはあきらめて今晩だけでもやり過ごす方法を考えなければ……

 

 そんな方法があればいいが…… 

 

十頁目

 

 夜とはこれほどまでに恐ろしいものだったのか……

 光源のかけらもない闇の世界は、何もかも黒一色に染まりきってしまった。

 目の前に持ってきた自分の手ですら見ることができない。

 見えるのは遠くの空に浮かぶ謎の建造物の輝きとあちらこちらから見える光の柱だけだ……あれが一体何なのか考える余裕はない。

 

 闇の中で時折聞こえるのだ、獣の息遣い、咆哮、断末魔……咀嚼音。

 

 怖い……怖すぎる……誰か助けてくれ……

 そこそこの高さのある岩によじ登ってみたけれど、安心とはまるで程遠い。

 どうかどうか神様仏様、なにとぞ私をお守りください……死にたくない……死にたくない……

 

十一頁目

 

 朝日だ……朝が来たっ!!

 太陽の光がただただ尊い、ありがたい……思わず何度も拝んでしまう。

 闇が振り払われていく、世界が形を取り戻していく。

 

 周囲を見回し、安全を確認し岩から降りるが地面に足が付くと同時に膝から崩れ落ちてしまった。

 これは一睡もできなかったことが原因ではないだろう、涙も止まらないのだから。

 何とか生き延びることができた、その喜びに身体が震えているのだ。

 

 知らなかった、生きているとはこんなにも素晴らしいことなのだっ!!

 

十二頁目

 

 身体が重い、これは今度こそ寝不足が原因だろうがそれでも横になるわけにはいかない。

 今のうちに……日が昇っているうちに今日こそ安全な場所を作らないとっ!!

 あんな恐ろしいことは二度と経験したくない、そのためにも今動かなければっ!!

 

 木材をベースに整え繊維で木組みを作り、その上にわらを載せて土台を作り上げる。

 その上に同じように木組みとわらで作った簡易な壁を載せる……口で言うのは簡単だがなかなかバランスが難しい。

 何せ結んでいる繊維は丈夫とはいえ野生の植物でしかない、慎重に念入りにやらなければちぎれてつぶされてしまう。

 

 焦るな、落ち着け、確実に一つ一つ仕上げていくんだ……

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