ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第304話

六百八十六頁目

 

 行き止まりから引き返す形で壁沿いに移動して、途中に見えた例の柱も無視して進み続けるとあっさり出口に戻ることができた。

 もちろんためらうことなくすぐに洞窟から出ると、そのまま深海の危険生物が付いてこないように浮上した。

 その上で水面から顔を出すと、ずっと付けっぱなしだった酸素ボンベと水中マスクを外して大きく深呼吸を繰り返す俺達。

 

 戦闘ばかりで気にしている余裕はなかったけれど、この装備は水が入ってこないように肌にきつく密着させているために物凄く窮屈でストレスが溜まっていたのだ。

 しかし意外にも野生児であるマァはそんなに気にしてる様子がなかった……どうやらずっと海で生き物の捕獲をしていて、このスキューバセットを付け続けていたから慣れてしまったのかもしれない。

 逆にオウ・ホウさんが物凄くくたびれたようなため息をついているのも意外に感じた。

 

 何でも彼は海に面している土地にいなかったから正直、こうして潜るのも含めて海水に触れているだけでも結構緊張してしまっているのだそうだ。

 それでも自分が言い出した洞窟攻略のためだからと気を張っていたらしいが……アーティファクトを回収して一段落着いたことでほっとして素が出てしまったようだ。

 そして今回の海底洞窟探索は偵察目的だったけれど、一度でアーティファクトの回収まで出来て良かったとしみじみと語るのだった。

 

 ……俺の推測だと残る最後のアーティファクトも海中にある可能性が高いのだけれど……何より今回探索できなかったあの洞窟内にある陸地部分も調べに行きたいところなのだが……物凄く言いづらい。

 まあ最悪は俺とマァで何とかすればいいだろう……護衛のサメ軍団とクラゲ対策のクジラもどきさえ数が揃っていれば問題ないはずだから……。

 

六百八十七頁目

 

 無事にケツァ君まで戻った俺達は早速メアリーの待つ拠点へと戻り、彼女に無事な顔を見せて安心させてあげた。

 更に手に入れてきたアーティファクトも見せながら、改めて今までに回収した全七種類ものアーティファクトを手近な机の上に並べてみる。

 様々な形をしているアーティファクトだがどれもこれも不思議な輝きと温もりを放っていて、見ているだけで何やら気分が高揚してくるような気がする。

 

 マァも同じ気持ちのようでどこか目をキラキラさせているが、オウ・ホウさんは興味深そうではあるがあくまでも必要な道具として見ているような気がする。

 そしてメアリーは……前は綺麗だからと宝物のように思っていたはずだけれど、今は目もくれず俺達の方ばかり見ている。

 多分実際にもう彼女はアーティファクトにはそこまで興味はないのだろう……それよりも俺達が無事でいてくれるほうが望ましいと思っているに違いない。

 

 その気持ち自体は嬉しいけれど……何やら彼女の視線が主に俺の方へ向いているような……右手首が痛くなる前に話を変えようと思い、俺は慌てて海底洞窟で思いついたことを口にした。

 要するに今の時点でどこかのオベリスクを起動できるのではないかということだが、それを聞いた皆は何故か神妙な顔で押し黙ってしまい……妙に重苦しい沈黙が拠点内を包み込むのだった。




【今回名前が出た動物】

クニダリア(クラゲ)
バシロサウルス(クジラもどき)
メガロドン(サメ)

【これまでに回収したアーティファクト】

 狡猾のアーティファクト(NEW)
 群衆のアーティファクト
 大物のアーティファクト
 天帝のアーティファクト×3
 暴食のアーティファクト
 賢者のアーティファクト
 狩人のアーティファクト
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