ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第305話

六百八十八頁目

 

 どうやら他の三人も俺と同じことを思いついていたようだ。

 しかしアーティファクトを全て嵌め込むと強大な敵と戦わなければいけないことは今までに集めた先人達の日記から何となくわかっている……だからこそ前にあの超巨大な肉食を相手に仲間を失ったこともあり、俺の前でこの話題を切り出せずにいたようだ。

 確かに立ち直る前の俺ならば……いやフローラと恋仲になっていた頃でも進んで危険に乗り込むような真似は避けようとしただろう。

 

 だけど今は違う……管理人に会うためにもこの島を統括するシステムを理解するためにも、オベリスクの起動を避けて通るわけにはいかないのだ。

 もちろん無策で今すぐに起動して何が起こるか確かめようなどというつもりはない、ちゃんと護衛となる仲間の動物を連れて行くつもりだ。

 確かロックウェル氏の日記が正しければ一度の起動で複数人が乗り込めるようだったし恐らくは動物も連れ込めるはずだ。

 

 まあそうでない場合に備えて人間用の武具も調達しておくべきだろう……それにはもちろん弓矢では心もとないから重火器が必要となる。

 尤もその為にはまだまだ準備に時間が掛るのだが……逆に言えば一応火薬の生産体制は整いつつあるから、時間さえあれば装備面は問題ないだろう。

 後は護衛の生き物だが転移した先で何が起こるか分からない以上は回復役として豚は必須だろう。

 

 もちろん咆哮で仲間を強化できるモフモフの子も絶対に連れて行かなければいけないが、それ以上に大事なのは実際に事が起きた際に前に出て戦闘を行う戦闘力の高い仲間だ。

 そして俺達の連れている動物で最も強いのは超巨大なあの肉食……洞窟に入れなくて外での護衛しかできていないのだから、こういう場面でぐらい役立ってもらおうじゃないか。

 ただ暴走したときのことを思うと俺達は別の生き物に乗るべきだ…………あんな場面、もう二度と見たくない。

 

 当然俺達が乗るのは二番目に強いであろうティラノがいい。

 またこいつはやられた時のための乗り換えように数を揃えておこう。

 何より海底洞窟で再認識したがやはり数の暴力は多少の体格差など覆せるほどに圧倒的だから。

 

 そう思うとあの超巨大な肉食も増やして複数連れ込んでおけば俺の精神的にはともかく、物理的には心強い限りだ……そろそろ本格的に繁殖させるための繁殖場を作り♂♀を一カ所に揃えておくべきかもしれない。

 俺が話しだしたことで皆も口を開き出して、特にオウ・ホウさんと話し合いそんな結論に達したのだが、メアリーだけは複雑そうな顔で俺達を見つめ続けていたのが印象的だった。

 

 そして彼女は最後にぽつりと、本当に行くのかと尋ねて来て……それに頷いた俺達を見て、やはり不安そうにしながらもそれでも力強い口調で、ならばそこだけは絶対に私も一緒についていくと断言するのだった。




【今回名前が出た動物】

ダエオドン(豚)
ユゥティラヌス(モフモフの子)
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
ティラノサウルス 
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