ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第310話

六百九十二頁目

 

 仲間にしたクジラもどきの数が十匹を越えたところで、マァはいつの間にかオウ・ホウさんと協力して捕獲していたらしい十五匹ものワニ軍団を引きつれて一人前に攻略した海底洞窟へ潜って行った。

 そしてあの探索できなかった陸地部分を探してきたそうだが、あそこはすぐに行き止まりになってしまっていたという。

 もちろんそこにアーティファクトはなかったようだ……残念だが、やはり別の洞窟に隠されているのだろう。

 

 ただ代わりにというか、一番奥の場所には何とヘレナ氏の日記が安置されていたらしくそれを持ち帰って来てくれた。

 ……日記がそこにあるということは俺達がこんなに苦労して辿り着いた場所にまで進出してきていたということだろう……流石は尊敬すべき先達者というべきか、まさに脱帽だ。

 尤も日記の内容自体は海の生き物を調査するため、海洋をメインに活動しているトライブに会いに行こうというものでそこまで重要な情報ではなかった。

 

 まあ俺達と同じくトライブとして活動している集団がネルヴァ氏以外にもいたというのは少し驚いたが……どうやら当時のこの島はそれこそ沢山の人間が幾つものトライブを作っていたようだ。

 その割にそれらの活動の痕跡が殆ど残っていないのは年月が経ち過ぎているから……というだけなのだろうか?

 またもしそうだとしても彼らと俺達の間にやってきた人達が残した痕跡すらないのも不思議だった。

 

 ……ひょっとして今現在、この島に新しい人間がやってきていないようにこの日記の主たちが立ち去った後、しばらくの間は誰も人が現れなかったのではないか?

 そう考えればまだ分からなくもないが、だとしたら日記の主たちの建物があそこまで朽ちるまでの年月ずっと人間を出さずにいて今になって再び俺達を送り出してきたのは何のためなのか?

 しかもこんな洞窟やら襲撃システムといった俺達の何かを試すような試練染みたような仕打ちまでしてきて……尤もこれはヘレナ氏達のいたころからあったようだが……。

 

 やはり何か目的があってやらせているのだろうけれど、まるで変な実験に無理やり付き合わされているような……いや本当にこれは何かの実験なのではないか?

 そしてヘレナ氏達が居なくなった後で一度はこのやり方では駄目だと諦めて実験を止めてしばらくこの場所を放置していたとしたら……その上でまた最近になって何かの理由で……予算の都合やら責任者の変更などから再びこの実験が再開されて俺達が送り込まれたとしたら辻褄が合うような……。

 

 まあそんなのは全て俺の勝手な推測に過ぎないのだけれど……或いはもっと日記を読めば何かが分かるのだろうか?

 そしてもう一つ今回の日記を読んで気になったのは、ヘレナ氏が海洋生物を調査しようと思い立ったのはロックウェル氏に進められてのことだと書かれていたことだ。

 やはりヘレナ氏とロックウェル氏は友好的な関係を築けているようだが、前に見つけた日記によるとロックウェル氏の協力者であるネルヴァ氏に同行者共々襲われたと書かれていた。

 

 今回見つけた日記の方が先に書かれた物のようだから、この後で何かしらで友好関係に亀裂が入ったとも考えられるが……どちらも理性的で善良な人間に思えるのに何故関係がこじれる様な事になるのか?

 それともただの勘違いなのか……これもまた新しい日記を探して読めばわかりそうだけれど……。




【今回名前が出た動物】

バシロサウルス(クジラもどき)
バリオニクス(ワニ軍団)
カプロスクス(ワニ軍団)
サルコスクス(ワニ軍団)

【今回登場した日記】

ヘレナの記録(#9)

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