六百九十三頁目
相変わらず最後の洞窟は見つからないが、代わりとばかりに他の面は順調に事が運んでいる。
まずメアリーは無事に超巨大な肉食を豪雪地帯に作った施設にまで連れていくことが出来て、今は番で揃えて早速一つ目の受精卵を手に入れて孵化作業に入っている。
ただ他の卵に比べて大きさもだが孵化にかかる時間も長いようで、温度調整もあるが目覚めた直後の刷り込みを逃さないために目が離せない状態が続いている。
また成体のあの体格からして成長しきるまでにかかる時間も長そうだが、まあ俺達が残りの洞窟を探しだし攻略が終わる頃すなわちオベリスクの攻略を始めるまでには間に合うだろう。
次にオウ・ホウさんの方も豪雪地帯にあるもう一つの強敵ばかりの洞窟内に、動物を育成できるスペースを少しずつ確保してきているそうだ。
入ってすぐの場所にあるしゃがまないと進めない場所から、奥にいる敵を片っ端から弓矢で射貫くことで安全に敵を倒していき……まあ異様にタフだったので時間こそ掛ったがそうして何とか隙間を作り出し、そこに分解して運び込めるようにしてあった金属の防護柵を持ち込み組み立てて設置することに成功したのだ。
しかもありがたいというか嬉しい誤算として、この洞窟内には毒ガス洞窟にいたムカデのように金属の防護柵を壊せる生き物が居ないようなのだ。
また隙間を塗って飛んでくる羽虫の様な生き物や上空から襲ってきそうな蝙蝠を始めとした飛行生物もいなかったために、オウ・ホウさんは防護柵で確保したスペースから先にいる敵に弓矢を放ち、そこの敵を一掃してまた隙間を作るとそこも防護柵で確保して……と繰り返すことで水たまりのある広い空間まで確保することが出来たという。
この調子なら防護柵を大量に作れば安全にアーティファクトまでの道を確保できてしまいそうなぐらい順調だというオウ・ホウさんだったが、ただ万が一のことを考えて……奥の方に防護柵を壊せる奴や上を飛び越して襲ってくる奴がいないともかぎらないため、やはり当初の予定通り確保した空間で護衛の動物を育ててから攻略すべきだろう。
そして育ている生き物だが、内部は本当に広々としていて広場同士を繋ぐ通路も幅も高さもあるために最初のしゃがまないと入れない場所さえ潜り抜けてしまえばどんな生き物でも……それこそ超巨大な肉食ですらある程度は進んでいけそうなのだそうだ。
だからとりあえずは今現在も繁殖中で中に連れ込めそうなサイズの子供も受精卵もあるティラノを中心に、進んだ先に狭い空間があった時や断崖を登ったりすることを考えて中型で壁を登れて戦力もあるレオ君の同種と回復要因の豚を育てることに決まった。
尤もこれは毒ガス洞窟の攻略が終わった後で俺がやるつもりでいる……子育て関係はメアリーにやってもらっていたけれど、幾ら安全を確保したとはいえ一度はオウ・ホウさんですら死に掛けたほどの危険な洞窟に外を出歩き始めたばかりの彼女を向かわせるのは流石に早すぎると思ったのだ。
だからやっぱりこっちの攻略ももう少し遅れそうだが、それでも順調に進んでいることには変わりがない。
最後に俺の方だが、ついにアサルトライフルとその弾丸を大量に作ることに成功した。
更に深海から持ち帰った素材を用いてガスマスクも製造し始めた……これさえあれば、脆い上に身動きが制限される酸素ボンベを背負わずにあの毒ガス洞窟に挑めるようになるからかなり楽になるはずだ。
これが人数分完成したところで、今度こそあのこの島に来て初めて見つけた洞窟にして今まで何度も追い返されてきた毒ガス洞窟を……攻略してやろうっ!!。
【今回名前が出た動物】
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
アースロプレウラ(ムカデ)
オニコニクテリス(蝙蝠)
ティラノサウルス
ティラコレオ(レオ君の同種)
ダエオドン(豚)