六百九十七頁目
仲間達の傷が癒えたところで左側の壁に沿うように移動して、その先にある唯一動物達と共に進めそうな道へと入っていく。
そうして進んだ先にはまたしても水たまりのある広い空間が見えて来たが、今回の場所は今までで一番大きくまたあちこちの壁に蜘蛛の糸が絡み付いていて……その内側には真っ赤な卵のような物が無数に張り付けられていた。
一瞬この洞窟内にいる蜘蛛の卵なのかとも思ったが、それにしては大きすぎる気がする。
何せ卵のサイズ自体が成体であるはずの蜘蛛と同じぐらい大きいのだ……幾らこの島が生物の理を超越しているとはいえ、卵から産まれてくる子供が相応のサイズなのは確認済みだ。
そこから逆に考えると、この卵から産まれてくる生き物は最終的に途方もない大きさに成長しかねないことになる……下手したらあの超巨大な肉食並みのサイズをした蜘蛛……想像したくもない。
ありがたいことにパッと見た限りでは孵化した後の殻も孵化しそうな卵も、孵化して成長した後の巨大な蜘蛛の姿もなかった。
尤も代わりとばかりにこの場所にも大量の……広場の大きさに合わせているかのように今までで一番多く蠢く敵の姿があった。
まだこちらに気づいていないようだからこのまま引き返せば戦わずに済むだろうけれど……安全を第一に考えるのならばここは引いてひとつ前の場所で改めてナマケモノを育成し直してから出直すべきだろう。
しかし今までの戦ってきた感覚からして、この狭い通路に引きこもり、前面に狼を出しつつ後ろから俺達が攻撃すれば何とかなりそうではある。
何よりもしヤバくなっても殿代わりに狼を残して時間を稼いでもらえば、あのナマケモノたちが待機している場所まで俺とオウ・ホウさんは逃げ込むことが出来そうだ。
それにこの広い場所も調べておきたいところだ……ここから更に奥へと続く道が無く、アーティファクトも無かったらそれこそ本格的にあの人間だけで侵入しなければならないエリアへの対策を本気で考えなければならなくなるのだから……。
六百九十八頁目
思った通り狼を壁にして後ろから俺達が射貫く作戦は非常に上手く行った。
やはり連射できるアサルトライフルは身体の大きな奴らを倒すうえでは物凄く頼りになるし、狙いにくい角度にいる奴はオウ・ホウさんが器用に弓矢で急所を射抜いて倒してくれるのだ。
そして狼の隙間を縫うようにして飛んでくる羽虫は、俺達の乗っているカエルが問答無用で舌先で絡めとり叩き落としてセメントに変えてくれている。
おかげで俺達は殆ど傷付くこともなく大量に迫っていた虫の群れを殲滅することができた。
尤も前面に出て居た狼たちは酷いものだったが……特にムカデへ対処していた個体は返り血を全身に浴びて見るも無残な状態だった。
それでも連れている豚達が倒した敵の死肉を食べなら彼らの傷を癒してくれている……本当に便利な奴だ。
だから今回もまた狼たちの治療を豚に任せて、カエルに乗った俺とオウ・ホウさんはこの場所を詳細に調べていくことにした。
……出来れば何かの影にでもアーティファクトが隠れていてくれればいいのだけれど……いつもの波動が伝わってこないからその期待は薄そうだ。
【今回名前が出た動物】
アラネオモーフス(蜘蛛)
■■■■■■■(巨大な蜘蛛?)
メガテリウム(ナマケモノ)
ダイアウルフ(狼)
メガネウラ(羽虫)
ティタノミルマ(羽虫)
ベールゼブフォ(カエル)
ダエオドン(豚)
アースロプレウラ(ムカデ)