六百九十九頁目
やはりこの場所にはアーティファクトがないようだが、代わりに先へと進めそうな場所が左側の壁に沿って行った先に二カ所ほど見えた。
どちらも入り口自体はナマケモノでも一匹ずつなら入れそうな程度には隙間が空いていたが、壁が凸凹しながら奥へと続いているので途中で大きすぎる生き物は通れなくなる可能性はありそうだ。
尤も奥からも大量の虫の息遣いというか足音だとか羽音が聞こえているので護衛抜きでは突っ込んでまでは調べられなかった。
だから狼たちの傷が癒えたころで改めて左の壁越しに進み手前にある方の道へと進んでみた。
そうしてまた先ほどと同じ様に無数に襲い来る虫たちを倒していき、安全を確保したところで少しずつ奥へと進んでいったが……思った通りというか想像以上というか、ここもまた人間だけしか通れないぐらい天井が低くなっている場所にぶつかってしまう。
ここまで持ち込める動物を何度も制限されるとは……毒ガスと言い、この洞窟は今までで一番意地が悪い洞窟かもしれない。
これは本格的に護衛の動物無しで先に進む必要があるかもしれない。
しかしそれは余りにも危険すぎる……だからこそ俺達は一旦この場を引き返し先ほどの開けた空間へと戻ると、もう一つ見つけた道の方に期待を込めながらゆっくりと入っていくのだった。
七百頁目
もう一つの道に入った俺達を当たり前のように襲ってくる蜘蛛と蛇……だけれど他の場所に比べて数が少ない気がする。
おかげであっさりとそいつらを始末して先へと進んでいくが、この道もまた入り口と比べると先へ進むほど全体的に狭くなってきていた。
これは駄目かもしれないと絶望半分で進んでいたところ、ついに豚とカエルが引っかかる場所が出てきてしまった。
尤も狼は通れたしカエル自体も跳んだり跳ねたりして頑張っていたら何とか通り抜けられたが豚だけはどうしても先に進むことは叶わなかった。
おまけに潜り抜けた先は更に道が狭まり細くなっていて、狼ですら横に並んで進むのは難しそうなぐらいだ。
もしこの状態で敵に襲われたら……まあ敵も数が制限されるだろうけれど宙を移動できる羽虫共は例外だ。
外の個体と違ってこの洞窟の羽虫共は硬いからカエルなら簡単に倒してしまえるけれど、回復手段を失った狼の方はあの数に群がられたらひとたまりもないだろう。
そうして狼がやられてしまえば帰り道で復活しているであろう敵の大群に果たして太刀打ちできるかどうか……そう思うとこれ以上進むのは危険かもしれない。
しかしこの先がどうなっているのか……本当にこの道も人間しか通れなくなっているのかだけでも調べておきたい。
だから俺達はほんの僅かにでも敵の気配がしたらその時点で引き返すぐらいの気持ちで、慎重に松明で奥の方を照らしながら進み……そこで先の方からいつものアーティファクトが放つ波動が伝わってきていることに気が付いた。
思わずオウ・ホウさんと顔を見合わせてしまうが、経験的にこの波動の感じ方からしてアーティファクトはかなり近いところにあるようだ。
これを逃す手はない……多少のリスクは覚悟の上で狼を前に出しながら進んだのだが、拍子抜けするほどあっさりとアーティファクトが鎮座している行き止まりまで元へと辿り着いてしまうのだった。
【今回名前が出た動物】
メガテリウム(ナマケモノ)
ダイアウルフ(狼)
アラネオモーフス(蜘蛛)
ティタノボア(蛇)
ダエオドン(豚)
メガネウラ(羽虫)
ティタノミルマ(羽虫)