ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第317話

七百一頁目

 

 アーティファクトには動物が近寄りがたい性質があるためか、この辺りは敵の見当たらない安全地帯となっているようだ。

 おかげで何の問題もなくアーティファクトを回収することができた……後は来た道を引き返せばいいだけだ。

 そして既に洞窟に慣れているこちらとしては基本壁沿いに移動していることをはっきりと覚えているので、もはや迷う心配も……ほぼないだろう。

 

 少なくとも前に攻略した水中の洞窟に比べれば上下の概念や水の抵抗などがない分、こちらのほうがずっと楽だ。

 だから問題と言えば新たに沸いた生き物への対処だけだが、これも仲間の動物たちは豚のおかげで元気いっぱいだし俺達の弾薬や矢もまだまだ残っている。

 それに途中にはナマケモノが居る上に防護柵で安全を確保してある拠点もどきまである……もし何かトラブルに見舞われてもあそこまでたどり着ければ体勢を立て直すことだってできる。

 

 これも今日まで入念に準備し続けたからこそだ……だけど油断だけはしないよう気を引き締めていこう。

 

七百二頁目

 

 ついに……とうとう、この毒ガス洞窟を制覇したぞっ!!

 長かった……本当に長かった……初めて見つけた洞窟なのにまさかここまでてこずることになるなんて当時は思ってもいなかったなぁ。

 だけど今、俺の手の中には洞窟内から無事に回収してきたばかりのアーティファクトが淡い光を放っている。

 

 やはり思っていた通り今回の帰り道は、敵こそ沸いていたけれどそこまで苦労することはなかった。

 これも色々と準備してきたおかげだ……まあナマケモノは予想に反してほとんど役に立たなかったけれど、ついでに育てた豚と同じく護衛として育てておいた狼は非常に役に立った。

 ただ今更ながらに思ったがあのいつも洞窟攻略に使っている身体の細長いワニなら、狭い道でも通れただろうからあいつこそ連れ込むべきだったような気がする。

 

 まあ無事に済んだ今、そんなことを考えても仕方がない……と言い切れない理由も実はあったりする。

 それは道中にあった人間だけしか入り込めない隙間が関係している。

 結局今回の探索で俺達はあの場所を探索できていないのだ……まさかとは思うけれど、あの場所にもう一つのアーティファクトが眠っている可能性があるのではないか?

 

 何せこの洞窟の難易度は今までに攻略してきた陸上のあらゆる洞窟より遥かに難しかったと言っても過言ではない。

 敵の硬さに数、毒ガスという専用装備が無ければ立ち入れない環境、その上入り口の狭さで連れ込める動物にまで制限が掛かっていた。

 おかげで正規の方法とは言い難いやり方で……内部で動物を育てて強引に連れ込めない生き物を利用しての攻略を余儀なくされたほどだ。

 

 だからこそその難易度に見合った報酬が他の洞窟と同じアーティファクト一つというのはなんか納得が行かないというか、釣り合っていないような気がするのだ。

 実際に最後のアーティファクトがあるであろう洞窟は未だに見つかっていないのだから、一つの洞窟に二つという可能性は否定しきれない。

 そう思えばあの場所も調べておくべきだろう……そしてその為には今回の攻略を参考にして計画を立てなければいけない。

 

 もちろんあそこには動物は連れ込めないけれど、途中までの護衛として連れて行く動物は俺達の装備と共に改めて考えるべきだろう。

 ……やっぱり洞窟攻略にはあの細長い身体のワニを連れ込むべきだな、それこそ次に攻略する予定の豪雪地帯にある強敵ばかりの洞窟にもだ。




【今回名前が出た動物】

ダエオドン(豚)
メガテリウム(ナマケモノ)
ダイアウルフ(狼)
バリオニクス(身体の細長いワニ)

【今回手に入れたアーティファクト】

免疫のアーティファクト
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