七百三頁目
相変わらず洞窟探索には時間が掛るようで、外に出た時には既に太陽が落ちかけてもう少しで夕暮れになろうとしていた。
それでも完全に日が落ちるまで時間があるからまだ外で活動すること自体は可能だったが、洞窟攻略のために持ち込んだ大量の物資とアーティファクトという戦果を持ってうろつくのはリスクが高すぎる。
だから今日のところは早めに切り上げて拠点へと戻ることにしたのだが……帰ったところでメアリーだけでなくマァにまでも出迎えられてしまった。
マァがこんなに早く作業を止めて戻ってくるのは珍しいことで、何か訳でもあるのではと思い聞いてみるととても自慢げな様子で海底にもう一つ大きな洞窟を見つけたというのだ。
しかも軽く中を覗いてみたところ、そこは前にアーティファクトを見つけた海底洞窟と同じく入り口も中も広く開いている上に奥行きも広そうだったそうだ。
おまけに入り口付近はともかく奥の方からは敵の生き物が泳ぐ気配を感じられたというし、何よりその洞窟のある場所は西側の中央あたり……それこそ前にアーティファクトを見つけた海底洞窟の対というかほぼ正反対の位置だった。
これほどまでに前々回攻略した海底洞窟と似通っている場所となると……それこそが最後のアーティファクトが眠る洞窟ということでほぼ確定なのではないだろうか?
そうなるとあの毒ガス洞窟の人間しか入れないエリアは一体……やはり前々回の海底洞窟で見かけた陸地と同じ様に日記か何かが隠されているだけの場所、というかそれらしい雰囲気を出して人を惑わすためのフェイクだったのかもしれない。
まあどちらにしてもこうして最後の洞窟が見つかった以上は、わざわざあんな危険な場所を探索しに行く必要はなさそうだ……今回マァが見つけた洞窟でアーティファクトを見つけられなかった時はまた話が変わるだろうけれど……。
七百四頁目
改めてこの情報を元に洞窟攻略の方法について話し合った俺達は、あえて次は豪雪地帯の方ではなく新しくマァが見つけた海底洞窟を探索することにした。
何故なら豪雪地帯の強敵ばかりが居る洞窟はまだ内部で動物を育ててもいないため、攻略にはまだまだ時間が掛ってしまう。
それに対して海底洞窟の方は前々回に別の海底洞窟を攻略するために育てたサメ軍団が健在だし、その後にマァがかき集めた電撃対策のクジラもどきも十分数が揃っている。
もちろんあの時使ったスキューバセットは予備を含めて完璧に修繕済み……つまり準備は万全に揃っていると言っていい状態なのだ。
尤も内部の状態次第では新たな準備が必要になるかもしれないが、その辺りのことは実際に入って見ないと分からない。
だからこそ俺とマァで早速明日にでもその洞窟に赴いて、内部がどうなっているか偵察がてら可能な限り進んでみるつもりでいる。
ちなみに海が苦手だというオウ・ホウさんはついてくるとは言ってくれたが、今回の毒ガス洞窟とその前の海底洞窟を探索した経験から三人いなくても平気だろうと判断した俺はあえて残ってもらうことにした。
そして俺達が海底洞窟へ行っている間に豪雪地帯の強敵ばかりが居る洞窟を攻略するための準備……具体的にはティラノに豚やレオ君の同種などといった生き物の受精卵や幼体の持ち込みと育成を始めておいてくれと頼むと快く引き受けてくれるのだった。
その際にメアリーが動物の育成なら役に立てるからと、自分も最初はついて行って温度調整などの管理を手伝うと言ってくれた。
……あの洞窟は危険すぎるし超巨大な肉食の繁殖もあるからメアリーは関わらせないつもりだったけれど、何だかんだで彼女も超巨大な肉食をここまで連れてくることをやり遂げて多少は外の環境に慣れてきているはずだ。
それに超巨大な肉食にしても最初の一匹目が無事に生まれてきて育成中らしいが、その経験から卵の付加するタイミングも子供の餌の時間に関してもある程度把握できているから少しぐらいなら離れても大丈夫らしい。
何より傍にオウ・ホウさんが付いているのだから大抵の事態には対処できるはずだ……そう思えばこの提案を否定する理由は何もなくて、素直に協力をお願いするのだった。
【今回名前が出た動物】
バシロサウルス(クジラもどき)
ティラノサウルス
ダエオドン(豚)
ティラコレオ(レオ君の同種)
【これまでに回収したアーティファクト】
免疫のアーティファクト(NEW)
狡猾のアーティファクト
群衆のアーティファクト
大物のアーティファクト
天帝のアーティファクト×3
暴食のアーティファクト
賢者のアーティファクト
狩人のアーティファクト