ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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06/27 23:35 訂正
主人公の現在位置にメガピラニアが生息していないことが判明したので差し替えます。


第32話

百六頁目

 

 少しずつ雨が弱くなってきたが、今度は日が暮れてきてしまった。

 こうなるともう移動は難しい……幾らテリ君が強いとはいえ暗闇の中をやみくもに進んで崖や谷から落ちてしまえばそれまでだ。

 仕方ないから雨が当たらない所で篝火を焚いて、濡れた服と体を乾かしながら家の中で出来る作業を続けよう。

 

 尤も麻酔矢も作れる限りは作り終えてしまった……三百本以上あるからこれならばどんな奴でも仲間に出来そうだ。

 それはともかく、これから何をして時間を過ごそうかと思いながら室内を見回して先ほどまで使っていたすり鉢とすりこぎが目に留まった。

 そう言えば黒い果実ばかり摺り下ろしていたが、他にも使えるものがあるかもしれない。

 

 せっかく時間が余っているのだから、色々と試してみよう。

 

百七頁目

 

 やはり試行錯誤するのは良いことだ、またしても新しい素材を作れるようになった。

 近くの岩から取れる石と火打石を特殊な割合で粉にして合わせると、何と簡単に火が付く発火粉とでもいうべきものが出来た。

 これを利用すれば木材やわらを焚きつけにするよりもずっと長く、焚火や篝火の炎が燃え続けそうだ。

 

 何より木材は燃やし終わった後に木炭に成り、その処分がちょっと面倒なのだがこの粉は完全に燃焼して消えてしまう点も便利だ。

 さらに言えばこれにもう一つ何かを加えれば火薬にもなりそうだ……まあだからと言って銃が作れるようになるわけではないけれど。

 後残った石の粉と使い道に困っていたキチン質の素材を混ぜ合わせてみると、ドロドロとした黒い液状のものになった。

 

 最初は失敗したかと思ったが、これが時間を置くとカチコチに固まった……まるでセメントのようだ。

 これもきっと色んなことに利用できるだろう。

 他にも何か作れない考えてみよう……何せ時間だけはたっぷりあるのだから。

 

百八頁目

 

 結局新しい何かを作ることはできないうちに夜になり、俺は周りの警戒を仲間に任せて眠りについた。

 おかげで目が覚めるころには疲れも取れていて、外も雨が上がり明るくなっている。

 だから仲間たちを引き連れて再び進みだした……のは良いのだけれどどうやら立ち止まったことで余計に自分の位置が分からなくなったようだ。

 

 気が付いたら来るときは見かけなかった謎の密林地帯に足を踏み入れていた。

 足元も俺の足首ぐらいまでならつかりそうな程度には水が溜まっていて、そこかしこにワニとワニモドキが居てフィオ君の同種を追いかけ回している。

 更によく見れば蛇もいるが……身長がないから獲物を追いかけては簡単に水没して苦しそうにしている。

 

 これでは獲物を狩るのは大変だろう……何でこんな場所に生息しているのだろうか?

 迷い込んだにしては数が多いし……やはりこの島の動物の生態は何かがおかしい気がする。

 尤もそんなことを考えている場合ではない、こちらに気づいた肉食達が一斉に襲い掛かってきているからだ。

 

 早速テリ君に蹴散らしてもらいながら、さらに先へと進むことにする……しかしどっちに進めばいいんだろう?




【今回名前が出た動物】

テリジノサウルス(テリ君)
カプロスクス(ワニ)
バリオニクス(ワニモドキ)
フィオミア(フィオ君の同種)
ティタノボア(蛇)
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