ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第321話

七百七頁目

 

 朝の早い段階で行動を開始した俺とマァは、二人で予備を含めたスキューバセットを手に赤いオベリスクの見える西南の海岸へとやってきた。

 相変わらずオベリスクを挟んだむこう側に、あの怪獣並みに巨大なブロントサウルスに似た首の長い草食がうごめくのが見えたがこちらへとやってくる様子はなさそうだ。

 ……本当にありがたい限りだ、何せこの場所にはフローラと共に過ごした小さい拠点があるのだから。

 

 あんな奴がやってきたらこんな繊維と藁と木材で作っただけの脆い家は簡単に壊されてしまうだろうから……だけどフローラと二人で作り上げた思い出の場所だから強化するにも手を加えたいとは思えないのだ。

 だからあいつがこっちに来ないことだけを祈りつつ、改めてこの拠点の傍にマァが用意してくれていた水生生物たちの元へと向かおうとする。

 しかしその前に俺の視線に気づいたマァもまたあの超巨大な草食を見上げていて、ぽつりと捕まえるかと尋ねてきた。

 

 そう言えば前にマァはこいつを捕まえたい的な発言をしていた気がする……確かにこれほどの巨体なら草食と言えども仲間にしたら非常に頼りになりそうだ。

 だけど流石に何の準備もない状態でここまで大きい奴を捕まえようとするのは自殺行為だし、絶対に洞窟へと連れ込めないサイズである以上は外での護衛かオベリスクの試練でぐらいしか使い道はなさそうだ。

 しかし護衛にしてもオベリスクの試練にしても超巨大な肉食を繁殖させている今、十分間に合っていると言える状況だった。

 

 だからリスクと資材を払ってまでこいつを捕獲しようとする意味は薄いと判断した俺は、マァに当面は見送ろうと伝えた。

 少しだけ不満そうにしていたマァだけれど今は目の前の洞窟攻略に専念しようというと、素直に頷いてくれてすぐに手近にいるクジラもどきの背中に飛び乗った。

 移動速度の遅いそいつに乗るのは不思議だったけれど、何でもマァ曰くクジラもどきのサドルに乗っているとクラゲや電気ウナギが電撃を発している傍に近づいても平気で行動できるのだという。

 

 確かに海において一番危険なのはあいつの電撃で動きを封じられているときが殆どだ。

 またクジラもどきには体温調整能力なども備わっているのだから、こうなれば騎乗する生き物としてはこいつ一択だろう。

 当然護衛としては前の洞窟で連れ込んだサメ軍団を連れて行くが、それとは別にマァが捕まえた十匹ものクジラもどき軍団も追従させていくことにした。

 

 尤もここまで連れて行くと数が多くて管理も大変だが安全のためには仕方がない……ただ混雑して移動が制限されては困るから大型であるモササウルスや首長竜、そして巨大なイカの三匹は置いていくことにした。

 こいつらも弱くはないのだけれどサイズ故に小回りが利かなかったり入り込めない場所が有ったりするし……何より電撃がそれなりに効いてしまうのが……あのクラゲさえいなければ選択肢に入るというのに……残念な子達だ。




【今回名前が出た動物】

ティタノサウルス(ブロントサウルスに似た巨大な草食)
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
バシロサウルス(クジラもどき)
クニダリア(クラゲ)
デンキウナギ
メガロドン(サメ)
モササウルス
プレシオサウルス(首長竜)
トゥソテウティス(巨大イカ)
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