七百九頁目
今更陸上に上がれる生き物を連れてこなかったことを嘆いても後の祭りだ。
別に最初の一回目でアーティファクトの元まで到達しなければならない理由も無いのだから、そんなことを悔いるより二度目の挑戦に備えて可能な限りこの洞窟内がどうなっているかの探索を続けよう。
だからせめて水中内を余すところなく調べ尽くそうと少し引き返えそうとしたのだが、そこで浅瀬の部分が陸地を囲うように続いていることに気が付いた。
ひょっとしてこの陸地の向こう側にも続いているのではと思い、向こう側が見渡せないかと改めて陸上を観察してみたところ、前の洞窟とは違って陸上には他の生き物の姿は全くなかった。
それこそ天井を見上げて見ても蝙蝠が張り付いている様子もない……どこかに隠れている可能性は無くはないけれど、これなら少しだけならば上陸しても平気だろう。
そう判断した俺は慎重に陸地へと乗り込み、軽く見回すぐらいの気持ちで周囲を観察してみた。
すると想像通り向こう側にも水路が続いてるではないか。
むしろこの陸地が特別というか、たまたま浅くなっているところが陸地として顔を出しているぐらいのようでやはりこの洞窟の本命ルートは水中のようだ。
尤もさらに進んだらどうなっているかはわからないが……とにかくこの場所は軽く見回した程度で殆ど全貌が把握できてしまう程狭く、おまけに目ぼしい物も金属鉱石や黒曜石ぐらいしか見つからなかった。
そこまでわかればもうここに留まる理由もなく、俺はクジラもどきの背へ戻ると再び水中を探索することにした。
ルートとしては今まで通り右手の壁……まあ今は陸地なのだが、ともかく迷わないよう右側の端に沿うようにしてギリギリ皆で泳げる程度の浅瀬を移動し続ける。
すると少し進んだところで先ほど上陸した陸地をぐるっと半周して反対側の水路に辿り着き、そのまま更に右側に沿って進むと一層浅く狭くなっている場所がありサメ軍団が引っかかってしまう。
恐らく数匹ずつならば通れそうだけれど、見ればそこを越えた先はまた少し深く広くなっていてサメの特殊個体が泳いでいる。
流石に特殊個体が相手となると数で押さないと厳しそうだ……だから持ち込んでいる護身用のクロスボウで打ちこちら側に引き寄せてから倒すことにした。
果たして予想通り矢を撃ち込まれたサメの特殊個体は怒ってこちらへと向かってきて……何故かそれと一緒になって小さい入り江などにいる無害な魚たちまでもがこちらに襲い掛かってきた。
クロスボウの矢が掠ったりしてしまったのかもしれないが、もちろんこんなのはサメ軍団の敵ではなくあっさりと全滅させることができた。
ただ小魚にしては妙に硬かったような……それこそ前の毒ガス洞窟にいた羽虫のように……まあこっちの場合はサメ軍団を連れ込めているから多少硬くてもだから何だという話なのだが……。
【今回名前が出た動物】
オニコニクテリス(蝙蝠)
バシロサウルス(クジラもどき)
メガロドン(サメ軍団)
αメガロドン(サメの特殊個体)
セイバートゥース・サーモン(無害な魚・小魚)
【今回登場した洞窟】
CavernsOfLostFaith(野獣の洞窟)