ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第324話

七百十頁目

 

 一通り視認できる敵を倒し終えたところで、とりあえず水面から顔を出し望遠鏡も使って先の方を覗き込んでみた。

 まだ敵が残っていないか確認したかったからだが、そこで進んだ先にまた上陸できそうな陸地があることに気が付いた。

 しかも他でも見かけていた壊れ掛けた遺跡染みたものまであるではないか。

 

 波動のようなものは感じないから多分アーティファクトは無いと思うが、ああいう場所には確か誰かの日記があるはずだ。

 だから改めてこの先の水路に敵がいないことを確認した俺達は慎重に進んで上陸して日記を探したところ、すぐに見つけることができた。

 洞窟内なので軽く読んだだけで荷物に仕舞ったけれど、どうやらこれはロックウェル氏の日記のようだ。

 

 ただ残念なことに……この島にいた人物がどうなったのか、自分たちの末路と合わせて気になっている身としては後の方の日記が欲しかったのだがこれは早い段階に書かれたもののようだった。

 まあそれでも情報が手に入ることに違いがないからこれはこれで良い収穫なのだけれど……アーティファクトを集めきりオベリスクの試練も乗り越えたであろう彼らは一体どうなってしまったのか?

 俺達もこの調子で全てが上手く行けばいずれ身をもって知ることにはなるだろうけれど……待ち構えている運命が破滅ではなく希望であればいいのだが……。

 

 そんな風に想いを寄せていた俺をマァが引っ張って現実に戻してくれた……どうやらこの洞窟は陸上には敵が湧かないようで安全らしいが、それでも洞窟内で気を抜いて突っ立っているのは危険すぎる。

 改めて目の前の洞窟攻略へ意識を切り替え、ここから先に進めそうなところや目ぼしい物が無いか確認するがこの陸地はここで行き止まりのようだった。

 

 やはりこの洞窟は海底洞窟ということもあって水路がメインなのだろう。

 何だかんだで前の海底洞窟もそうだったし、そう考えればここも水の中だけでアーティファクトまで完結していてもおかしくはなさそうだ。

 

七百十一頁目

 

 水路に戻った俺達はまた右側の壁に沿うようにして進み始めたところ、先の方からクラゲの群れが襲い掛かってくる。

 先行していたサメ軍団の数匹が電撃に囚われそうになるが、すぐにクジラもどきに攻撃させてこれを殲滅させる。

 本当に海においてこのクラゲだけが厄介だが、逆に電撃の利かないクジラもどきが仲間になった今もはや危ない面は殆ど無くなったと言っていいだろう。

 

 何せ他の生き物は、あの強力な特殊個体も含めて群れているサメ軍団があっという間に文字通り血祭りにあげてくれるのだ。

 ……何というか陸上は様々な生き物の特殊能力などや病気の媒介などもあって、幾ら強い生き物を手に入れても一筋縄ではいかなかったのだがそれに対して海中の生き物はバランスが悪いというか……大味な調整になっている気がする。

 まあただでさえ踏み込むための装備のハードルが高いから、あんまり余計な要素を追加したら攻略不可能になるとの配慮からかもしれないが……そう思うとこの島の管理人は人間を追い詰めて苦しんでいるところを見るのが目的ではないような気がしてくる。

 

 尤も他の陸上洞窟に関しては逆にそっちが目的ではと思ってしまう程、厄介で陰湿さを感じてしまうほどだが……いやこの洞窟にしても俺達の事前準備がしっかりしていたから何とかなっているだけで、本当は厄介な場所だとはわかっているのだけれど……。

 そんなことを思いつつ、今も前から姿を現したサメの特殊個体を血祭りにあげながら更に先へと進んでいくとまたしても水位が浅くなっている場所が見えてきた。

 その場所は浅い代わりに広くなっているようでサメ軍団を引き連れたまま乗り込めそうではあったけれど、その手前に敵が大量に湧いているではないか。

 

 また特殊個体のサメにデンキウナギにクラゲ、そして小魚の群れ……この洞窟内は敵の数がまばらだったから、これだけまとまっているのは珍しい気がした。

 それでも俺達の敵ではない……尤もクラゲやデンキウナギを含めた状態で乱戦になったら厄介だから、その点だけは注意する必要があったがクロスボウで異様に足の速い特殊個体を先に引き付けてやればそれで十分だった。

 サメ軍団がそいつを処理している間に、俺とマァがクジラもどきを連れて電撃を放つ奴らを壊滅させる……そして残りをサメ軍団と協力してやっつければ終了だ。

 

 問題なく倒し終えたところでその生き物から素材をしっかりと採取して、改めてその広く浅い水辺に乗り込んでいく。

 そして水面から軽く顔を出して周りを見回すが、先の方にまた上陸できそうな場所が壁に沿うようにして広がっているのがわかる。

 ただパッと見た感じでは壁に囲まれていて奥へ進めそうなところは見当たらず、まるでここで行き止まりのように思われた。

 

 だとすれば水中に潜水して先へ進めそうな穴でも開いているのではないかと潜り、海底を見回してみたが目ぼしい物と言えばあちこちに転がっている真珠と怪しい光を放つアーティファクトの様な……ってあれはアーティファクトじゃないかっ!?

 何でこんな場所に無造作に置かれてるんだ……前の海底洞窟では如何にもな場所に置かれていたというのに……。




【今回名前が出た動物】

クニダリア(クラゲ)
メガロドン(サメ)
バシロサウルス(クジラもどき)
αメガロドン(サメの特殊個体)
デンキウナギ
セイバートゥース・サーモン(小魚)

【今回見つけたアーティファクト】

野獣のアーティファクト
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