ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第327話

七百十四頁目

 

 初めて聞く生き物の生態に驚かされた俺だが、その飛びつきが正確なまでにオウ・ホウさんの頭を狙って来ていたと言われてさらに驚いてしまう。

 そしてそのせいでオウ・ホウさんは地面へと叩き落とされた、だけでは済まず少しの間意識が朦朧として動けなくなってしまっていたそうだ。

 幾らメアリーが呼び掛けても返事も出来ず、また近づいてきたその生き物……黒い体毛をした四つ足のそいつが攻撃して来ても反撃することもできない様子だった。

 

 それを見たメアリーは慌てて助けようとして、防護柵から一歩出ると震える手でショットガンを持ち上げるとオウ・ホウさんに当たらないよう尻尾の辺りを狙って打ったそうだ。

 果たして練習の成果が出たのか、或いは散弾がばらけたこともあってか弾は数発ほどそいつの尻に当たったのだがそれぐらいで怯むほど軟な生き物ではなかったようだ。

 ただその一撃はそいつの怒りに火をつけるには十分だったようで、オウ・ホウさんからメアリーに標的を変えてものすごい勢いで突っ込んできたという。

 

 それでもメアリーは何とか防護柵の内側に引き下がることで事なきを得ることができて、またそいつが引き下がった隙にオウ・ホウさんも何とか正気を取り戻すことができたようだった。

 オウ・ホウさんは即座に携帯している回復用のメディカルブリューを啜り落下時の衝撃とそいつに噛みつかれて受けたダメージを癒しつつ、もう一度天井にグラップリングフックを打ち込もうとした……所に洞窟の奥から何かの生き物が迫り来る咆哮を聞きつけた。

 どうやら奥にいた敵たちが戦闘中の物音を聞きつけてこちらへ向かってきてしまったらしい。

 この状況でもしまた天井へ避難したところであの生き物に叩き落とされたら、新手の生き物と同時に食いつかれて一瞬で命を落としてしまう……かといって歩いて防護柵の内側に戻ろうにも、丁度人間が通れる隙間の部分にメアリーを目の敵にしている生き物が陣取っているためそれも敵いそうにない。

 

 そこでオウ・ホウさんは周りの壁を見回して、簡単には生き物が這い上がれなそうな場所に僅かな出っ張りを見つけるとそこへフックを打ち込み強引に上った。

 そして武器を構えながらメアリーに助けを呼ぶように指示を出して……色々と思うところはあったけれど最終的に従うことにしたメアリーは洞窟の外に出て俺達を呼び出そうと照明弾を打ち上げて……そこに俺達がやってきたというわけだ。

 こんな危険な強敵ばかりの洞窟内でオウ・ホウさんは今も堪えている……前に探索したときに死に掛けながら戻ってきたことを思い出すとすぐにでも助けに行かなければ不味い気もする。

 

 しかし今回、水中探索をしていた俺達はどうせ使えないからと重火器の類は持ち歩いていなかった……拠点に戻れば全員分が揃うのだがそんな時間があるのかどうか……くそ、どうすればいいんだ俺はっ!?。

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