ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第329話

七百十六頁目

 

 近づけない以上は散弾がばらけて全てはヒットしないショットガンより、一本の矢に力を集中させて放つクロスボウの方が威力が高い。

 だから水中洞窟攻略の護身用に携帯していた高品質のクロスボウに持ち替えて、石の矢でオウ・ホウさんの援護射撃を開始した。

 しかし想像以上にこの洞窟の生き物たちは強力で頑丈なようだ……この高品質のクロスボウの威力をもってしても矢は分厚い皮の表面に突き刺さって止まってしまい大した傷をつけることができなかった。

 

 まあオウ・ホウさんの攻撃を受けてもピンピンしているぐらいなのだからこれぐらい固くても不思議ではないが……こいつらは下手したら野外にいる大型の肉食より強いんじゃないだろうか?

 本当に厄介極まりないが、それでも同じ個体に矢を撃ち続けると鬱陶しく感じたのか攻撃対象を俺に変えて防護柵めがけて突っ込んできた。

 これは好都合だった……何せ向こうは防護柵を越えることが出来ないというのに尖っている部分にぶつかりに来て、そこで身体を傷つけて立ち止まったのだ。

 

 当然これだけ距離が詰まれば最大威力のショットガンをお見舞いしてやることができる。

 早速、安全な防護柵の内側から敵の頭辺りをめがけて映画のようにポンプアクションを駆使して、ショットガンの弾を六連続で叩き込んでやった。

 流石にこれだけの至近距離でしかも高品質のショットガンを全弾叩き込まれたことで、襲ってきていた雪男に似た生き物は文字通りハチの巣となりその場に崩れ落ちて動かなくなる。

 

 それを確認してまずは一匹倒せたと安堵……するよゆうも無く俺はすぐに次の奴へ再び矢を射かけてこっちを狙うように誘導する。

 そして誘き寄せられてきた奴を同じようにショットガンでハチの巣にすることで退治して……これを繰り返して何とか敵の数を減らしていく。

 しかしおびき寄せるのに数発矢を放たなければならなかったり、近づいてきた後も武器を持ち換えたり弾を装填したりする手間が毎回かかるためどうしても一匹一匹に時間が掛ってしまう。

 

 その間もオウ・ホウさんは必死に敵の襲撃を防いでいるが、極稀に攻撃を受けてしまっていてそのたびに少しずつ動きが鈍くなっていく。

 このままでは群がる敵を倒し終える前にオウ・ホウさんの体力が……何より倒し切ったとしても地面の下に隠れているという動物をどうにかする方法を見つけなければ動くに動けないではないか。

 最悪は一か八かに掛けてこっちの防護柵に囲まれた安全なエリアにグラップリングフックを打ち込んで強引に移動するしかないが、そこでもう一度地面から飛び出してきた生き物に襲撃されようものなら今のオウ・ホウさんでは……。

 

 気持ちばかりが焦る中、手を休まず動かしながらどうすればいいのか必死に考えていたところで不意に右手首の……フローラの鉱石が光り始めた。

 もしかして彼女もオウ・ホウさんを助けるために協力してくれるのか……そう思って見つめたところ、俺の脳裏にこの状況を打破しうる武器が思い浮かぶのだった。

 一体一体倒していて間に合わないのならば辺り一帯を一度に吹き飛ばしてしまえば……そうすればその余波で地面に隠れている奴だって……そういうことだろフローラっ!?




【今回名前が出た動物】

イエティ(雪男に似た生き物)
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