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何だかんだで修羅場に慣れているオウ・ホウさんは軽く休んだだけで立ち直ってくれた。
だから早速あの洞窟の攻略法について再度話し合おうと思ったが、オウ・ホウさんの無事を確認するまで気を張っていたらしいメアリーが今度は倒れてしまった。
考えてみればメアリーは修羅場には殆ど立ち会っていない……俺もオウ・ホウさんも、そしてマァも何度か洞窟内で死に掛けたりした経験があるから乗り越えてしまえば気にならないが、彼女はそうもいかなかったようだ。
しかし今ではメアリーも立派な俺達の仲間だし、洞窟攻略に関しても彼女が得意としている動物の育児も関わってくることだろう。
だからやっぱり彼女が落ち着くまでは洞窟攻略についての会議は延期となった。
代わりにその間をどう過ごすのかを軽く話し合ったところ、オウ・ホウさんは高品質な装備を求めて各地に降りて来るカプセルを回収して回りつつ、次いでに三つのオベリスクを回って今持っているアーティファクトでどれが起動できる状態か確認しに行くという。
それに対してマァはやはりあの超巨大な草食が気になるらしく、あいつの動きを観察しつつ他に目ぼしい生き物がいたり近くにカプセルが落ちてくるようなら回収しておくとのことだ。
二人が外に出るのならば俺はここに残りメアリーの様子を見つつ、火薬やら麻酔弾やらを始めとした各種クラフト作業に専念することにしよう。
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これから先、より重火器に頼る場面も増えるだろうと火薬と弾薬を制作し始めたのはいいが途中で火薬の材料の発火粉、を作るために必要な火打石が足らなくなってしまう。
ただの石の方はアルマジロが集めてくれるし、金属鉱石やら水晶やら黒曜石やらを砕いて回収する際についでに回収できているから足りているのだが……考えてみればここのところ普通の岩をピッケルなどで砕いた記憶が全くない。
それに未だに火打石を専門で回収できる動物も捕まえられていない……居るのかどうかは分からないが……強いて言えばアンキロだがあいつでは他の石なども回収してしまうし、何よりあいつはどちらかと言えば金属鉱石採取要因だ。
だからやっぱり地道に手作業で岩を砕くしかない気もするが、これでは余りにも効率が悪すぎる。
せめて動物が駄目なら設備稼働具の方を工夫して何とか改善したいところだが……と思ったところで、前に新しい設備を思いついていたことを思い出した。
そう工業用粉砕機だ……それがあれば普通の石をさらに細かく砕いて火打石に変換できるかもしれない。
確か前回もそう思ったのだが当時は資材に限りがあったから二台目の工業炉を作るの優先しようとそっちに素材をつぎ込んだのだが、今ならば問題なく作れそうだ。
ただ無駄にデカくなりそうだから一人で作ると時間が掛りそうではある……かといって休んでいるメアリーに協力を頼むのも酷な話だろう。
だからやっぱり一人で頑張ろうと資材を集めて旋盤に向かったところで右手首の鉱石が淡く輝いた。
……手伝ってくれるんだねフローラ、ありがとう……そうだね君の助けがあればきっとすぐにでもできるとも。
【今回名前が出た動物】
ティタノサウルス(超巨大な草食)
ドエディクルス(アルマジロ)
アンキロサウルス