七百二十頁目
金属のインゴットに水晶とポリマー、セメントに原油と言った貴重な資材を大量につぎ込むことで何とか工業用粉砕機を作り上げることができた。
ここまで文明を発達させて色々な素材を大量に集められるようになった今だからこそ作れたのだ……そう思うと今までの成果の集大成のような気がしてどこか感無量だ。
しかも実際にフローラが協力してくれたのか俺自身もクラフト作業に慣れてきたのか、日が落ちる前には完成させることができた。
後は実際に動かして試すだけだ……そう思い豪雪地帯の工房エリアの一角に設置した工業用粉砕機にガソリンを流し込みスイッチを入れてみると駆動音があたりに鳴り響き出した。
そして動き出した粉砕機に早速石を入れてみると思った通り次から次に火打石へと変換されて排出されるではないか。
ありがたく回収しつつ他に何か砕けないかと思い木材を入れて砕いてみると藁となって排出されてくる。
尤も藁の方は動物でも採取できるしここまで文明が発達した今そこまで使い道は多くないのだが、それでもこれで作れることは覚えておこう。
とにかく想像通りの働きはしてくれているわけだが、あれだけの素材を使いまた結構なスペースを割いて設置してあるのにこれしかできないのはどうにも勿体ない気がする。
だから他にも何か上手く利用できる形に砕けるものが無いかと金属鉱石や水晶などを入れて試してみたがどうにも上手く行かない。
ちょっとがっかりだがこればかりは仕方がない、素直に火打石作り専用の機械として運用するして……と思ったところでオウ・ホウさんが戻ってきた。
どうやら工業用粉砕機が物を砕く音を聞きつけてきたらしいが、そんな彼の手にはいくつものカプセルを巡って手に入れたらしい道具が幾つも握られていた。
しかし殆どが低品質な品物で既に俺達が保有している物の下位互換品や今のところ使い道のない建材であったりして、使い道に乏しそうだった。
持って帰ってきたオウ・ホウさんもそれは分かっていたようで念のため俺に確認してもらいたかっただけのようだが、こうなると嵩張るし場所を取るだけだから早めに処理したほうが良さそうだ。
そう思ってどこかに捨ててこようとしたところでオウ・ホウさんが先に工業用粉砕機に興味を示し、これが何か尋ねてきた。
だから説明しつつ実際に石を砕いて火打石にするところを見せると感心したように頷いて……これで回収した道具を分解したら、使える部品が少しでも回収できるのではと提案してきた。
その発想はなかった……目から鱗を落としつつも早速試してみると、思った通り使えそうな形で素材単位に分解された道具が排出されてくるではないか。
尤も完全にリサイクルできるはずもなく恐らくは使用した素材量に対して四分の一ほどしか回収できなそうだけれど、元々カプセルからただで手に入れたものなのだから十分すぎる。
今度は野外活動する際はどんどんカプセルの中身を持って来てもらうとしよう。
身内の法事関係で色々と時間を取られてます。
申しわけありませんが、次の投稿は月曜日か火曜日になります。