ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第34話

百十二頁目

 

 何とか勾配の緩い場所を見つけて陸地に上がれたが、やはり道を間違えていたようだ。

 その証拠とばかりにここには今まで見たこともない太く硬い大きな樹が密集して生えている。

 どれだけ硬いかというと斧もピッケルも歯が立たないほどだ……これでは木材を回収することは出来なそうだ。

 

 おまけに見上げるほど大きなその幹には巨大なハチの巣のようなものがくっついているのが見えた。

 あんな大きな巣に住んでいる……いやこの島にいるハチなど絶対に危険に違いない。

 さっさとこんな場所立ち去るに限るけれど、後ろを振り返れば同じく危険生物がいっぱいの湿地帯。

 

 一体どっちに進むのが正解なのだろうか?

 

百十三頁目

 

 失敗したっ!! やはり一度戻るべきだったっ!!

 新しい場所の探索もかねて先に進んだ俺に、太い木の幹に貼りついていた巨大なネコ科と思われる見た目の肉食獣が襲い掛かってきたのだ。

 そいつはパロロ君に乗っている俺を叩いて無理やり引きずり落とすと、その鋭い牙で俺とパロロ君に食らいつき盛大に出血させてきた。

 

 もちろん即座にテリ君が倒してくれたから追撃は来なかったが、この出血を収めるのにはそれなりに時間がかかった。

 おまけに体力も消費してしまい、少しでも回復しようと道中で焼いていた肉をたくさん食べて栄養を補給する羽目になってしまった。

 テリ君に警戒はさせておいたのだが、まさか真上から襲ってくる奴が居たなんて……テリ君が強いからと少し油断しすぎていたかもしれない。

 

百十四頁目

 

 パロロ君は大声で咆哮することができる、そしてその叫び声を聞いた生き物は多かれ少なかれ反応を示す。

 それをレーダーのように利用することで、何とか例の飛び掛かってくる生き物を警戒できるようにはなった。

 太く大きな木々が密集しているこの場所では、昼間でも光が遮られて全体的に薄暗く視野が狭くなってしまう……本当にパロロ君を仲間にしておいてよかったものだ。

 

 しかしこうして警戒してみると、この場所には新しい生き物がたくさんいるようだ。

 恐らくは蜂蜜が狙いであろう熊に、前に群れで襲ってきた小さい恐竜に似ている黒い羽毛の恐竜に立派な角をはやしたシカのような奴……今横切って飛んでいった鳥はまさか始祖鳥だろうか?

 こいつらは今のところこっちを襲ってくる様子はなさそうだが、やっぱり近づくのは止めておこう。

 

 それこそ今一緒にいるテリ君みたいに急に襲い掛かってこないとも限らないのだから。

 

百十五頁目

 

 雄叫びと共に何かが大暴れしている騒音が聞こえてきた。

 一瞬逃げるかどうか躊躇したけれど、何が起きているのか確認しておかなければ対処も難しい。

 何より大抵の奴ならばテリ君が何とかしてくれるだろう、そう思って先に進んだところで急にそいつが飛び出してきた。

 

 巨大なナマケモノのような生き物だが、その動きは機敏で目には殺意すら籠っていてまるで周辺の空気が赤く歪んで見えるほどの怒りを感じた。

 そいつは俺たち……のすぐそばを飛んでいた昆虫を叩き落とすと、遺体をバラバラに解体し続けた。

 そして今度はこちらへと目を向けるとまるでバーサーカーのように正面から突っ込んできたのだ。

 

 即座にディ君に突き飛ばして距離を取ってもらい、そこにテリ君をけしかけた。

 しかしこいつは非常に強く、テリ君ですら悲鳴を上げ始めたではないか。

 ここでテリ君を失うわけにはいかない、俺も矢で援護射撃をしよう……としたところで急にそいつの動きが鈍くなった。

 

 おかげで何とか倒すことができたけれど、一体こいつは何だったのだろうか?




【今回名前が出た動物】

イキオオミツバチの巣
ティラコレオ(樹の幹に貼りついていた肉食獣)
パラサウロロフス(パロロ君)
テリジノサウルス(テリ君)
ショートフェイスベア(熊)
トロオドン(黒い羽毛の小さい恐竜)
メガロケロス(シカ)
始祖鳥
メガテリウム(巨大なナマケモノ)
ディプロドクス(ディ君)
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