七百二十八頁目
まああの穴から出てくる奴への対策は置いておいて、あれ以外の敵に関しても今までの洞窟とは比べ物にならないぐらい強い奴ばかりなのも問題ではある。
強いて言えば海底洞窟が近い環境だろうか……特殊個体が当たり前のように出現する強敵ばかりの場所で、しかもこちらを麻痺らせてくるクラゲという厄介な能力持ちの敵が居るところもよく似ている。
だから海底洞窟の攻略時を参考に改めて考えて見るが、強敵の方はサメ軍団の物量でごり押した様に、今回の洞窟でも内部で大量に護衛の動物を育てていけば対処は可能だろう。
それに対して穴から出てくる奴への対処はクラゲと一緒にするわけにはいかない。
何せクラゲの時はあいつの能力を完封できるクジラもどきが仲間にいてくれた上に、あいつは穴に隠れている奴と違っている場所がはっきりと分かるために距離を取り易かったからこそ何とかなったのだ。
しかし穴から飛び出してくる奴の攻撃に耐性を持っていそうな動物など心当たりはないし、距離を取ろうにもどこに隠れているのかもわからないのが厄介過ぎる。
尤も居場所自体はパロロ君の能力で強引に解析することもできなくはなさそうだけれど……あの子の同種を連れ込んで上手に距離を取ることが出来れば或いは行けなくはないかもしれない。
しかし天井近くまで飛び上がっていたオウ・ホウさんに飛び掛かり攻撃が届いたことを考えると、かなり距離を取らなければ安全とは言い難い気もする。
まして洞窟という場所では狭くなっている場所が何カ所もあるだろうし、やはり避けるだけでなく処理できる方法も欲しいところだ。
……こう考えるとやっぱり素直に時間をかけて護衛用の動物とロケットランチャーの弾を準備するしかない気がするなぁ。
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結局他に良い案は出てこなくて、時間をかけて準備することになった。
そして役割分担だが動物の育成と例のフローラが書いたと思わしき料理作りに関してはメアリーに頼み、俺はロケットランチャーの弾作りとそのための材料集めに専念することになった。
マァとオウ・ホウさんにはまた島中を巡ってカプセルを回収しつつ、有益そうな動物を探して可能ならば捕獲を試みてもらう。
あともう一つ、外に出る二人には折を見て各オベリスクの傍に動物育成用の拠点を作ってもらうことにした。
もしももう一匹ケツァ君を見つけられたなら話は別だが、そうでない場合はオベリスクに挑む動物を現地で育てなければならなくなるからだ。
まあそこまでするとなると更に時間が掛ってしまうから、出来ればケツァ君を見つけてきてくれた方がありがたいのだが……尤も時間なんか気にしても仕方がないのだけれど元の世界に戻る気で居るオウ・ホウさんからすれば気になる点かもしれない。
逆にもうメアリーやマァはそこまで帰ることに拘っているようには見えない……マァは元々野生児ぐらしだったから案外生活基盤が完成しつつあるこの島が気に入っているのかもしれない。
メアリーの方はどうか分からないが、無理に帰ろうとするよりはこの場で出来た仲間を失いたくないと思っているような気がする。
それとも俺達と過ごす時間を気に入ってくれているのか……そう思ったところでこちらを見る彼女と目が合って……何故か向こうは少し顔を赤らめながら顔を逸らしてしまう。
そして一瞬右手首がチクリとしたような気がしたけれど、今までのように激しく痛むことはなかった……本当に線引きって、なんの話し合いをしたんだろうか?
【今回名前が出た動物】
プルロヴィア(穴から飛び出てくる奴)
クニダリア(クラゲ)
バシロサウルス(クジラもどき)
パラサウロロフス(パロロ君)
ケツァコアトルス(ケツァ君)