ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第342話

七百三十頁目

 

 方針も定まったことで話し合いは終わりとなり、各々やるべきことをするべく行動し始めた。

 俺もまたロケットランチャーの弾薬を作り始める……前に樹液を採取するための蛇口を作り、オウ・ホウさんに渡そうと思った。

 作業机で金属のインゴットをセメントと合わせて加工することで物自体はあっさりと完成したが、これから樹液をどれだけ使うことになるか分からないから念のため複数作っておくことにした。

 

 その上で持って行って貰おうと思ったのだが、数も数だしどうせなら俺も一緒に行って手分けしてつけて回ったほうがいい気がする。

 何よりこの後でロケットランチャーの弾を作る際にセメントも金属のインゴットも大量に使うのだ……ならあの硬い樹木が生えている所にある毒ガス洞窟へカエルを連れていきセメントを回収してきた方が効率が良いだろう。

 それにあの場所の山肌にある拠点には工業炉もあるのだから、ついでに金属のインゴットも回収してこれる。

 

 そういうわけで一時的にオウ・ホウさんと行動を共にすることにして、アルケンABに乗って樹木の場所を目指した。

 もちろん空の旅だから何の問題もなくすぐに到着する……はずだったのだが、ちょうど例の強敵ばかりの洞窟がある辺りの空でマァが乗って行ったはずのケツァ君が宙に浮かんだまま止まっていることに気が付いた。

 一体どうしたのかと思い近づいたところで、なんとその向こうにもう一匹のケツァ君の同種が居るではないか。

 

 どうやらマァはあいつを捕獲しようとしているらしく、手綱から離れてプラットフォームの端に立ちながら作ったばかりの電撃麻酔弾を装填しているであろうライフルで必死に狙いを定めている。

 ケツァ君の有益さは今更語るまでも無い……何よりもう一匹運搬専用の奴も欲しかったところだし今は何を差し置いてでもこいつの捕獲に協力したほうが良さそうだ。

 

七百三十頁目

 

 一旦マァの居るケツァ君の背中に降り立った俺達は協力を申し出つつ、どうやって捕獲するかについて軽く話し合った。

 尤も眠らせるだけならここから麻酔を打ちまくればそれで済む話ではある……ただ問題はその後でこいつの安全をどう確保すればいいかということだった。

 前に俺は一度だけ眠らせた飛行生物が落ちた先で肉食に囲まれて仲間にすることもできずに失ってしまった経験がある……ましてこの下はスピノが湧く川と肉食だらけの豪雪地帯とも隣接している土地なのだ。

 

 こんな場所でこいつを眠らせたら間違いなく他の肉食に食い荒らされるのが落ちだ。

 こいつほどの希少な生物をそんなことでロストするのは勿体なさすぎる……だからこそどう対処するかを決めてから麻酔を打ち込むべきだろう。

 尤も対策はすぐに思いついた……空中で眠らせた生き物は力なく滑空して落ちた先で動かなくなるのだから、真下にケツァ君のプラットフォームが来るようにしておけばいい。

 

 そうすればこのケツァ君の背中で眠りに落ちるだろうし、その後は安全な場所に移動しても良いしスタミナが持つ限り空中で待機してもいいだろう。

 もちろんこのやり方は一人では難しいだろうけれど、こうして三人が揃っているのだから楽勝だ。

 まずスペースを開けるべくアルケンABには自力で空を飛んでもらった上でケツァ君に追従させ、また俺達に会わせて攻撃しないように指示も出しておく。

 

 後は俺が手綱を握ってケツァ君を操り、常にあいつの下に居る状態を保ちつつマァとオウ・ホウさんに麻酔を打ち込んでもらえばいい。

 ……地味に電撃麻酔弾の初お目見えだ……果たしてどれだけの効果が有るか楽しみだ。




【今回名前が出た動物】

ベールゼブフォ(カエル)
アルゲンダビス(アルケンAB)
ケツァコアトルス(ケツァ君、ケツァ君の同種)
スピノサウルス
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