七百三十一頁目
素晴らしいっ!! 実に素晴らしいっ!! 最高だっ!!
電撃麻酔弾は恐ろしいほどの効き目を誇っているようで、ケツァ君の同種をすぐに眠りにつかせてしまった。
これほどの巨体だから全身に麻酔が回るまでもっと時間が掛ると思ったのだが……実際に前にフローラと一緒に捕まえた時と比べてもやり方の違いこそあるがかかった時間は雲泥の差だ。
これは本当に良い物を作ったと喜びながら改めて一つを手に取って眺めて見て……少しだけ中に込めているクラゲの毒が減っているような気がした。
どうやらクラゲの毒は時間と共に少しずつ乾燥していってしまうらしい……つまり余り長く放置するとこの電撃麻酔弾は駄目になってしまうようだ。
尤もそうなったとしてもクラゲの毒が抜けた普通の麻酔弾に戻るだけだから完全に無駄になるわけではないのだが……専用の冷蔵庫を作るなりして保管方法を考えた方が良いかもしれない。
まあそれはおいおい考えるとして、今はケツァ君の背中に力なく横たわっている子を確実に仲間にするために尽力するとしよう。
いつも通り手渡しで餌を与えて懐かせつつ、空中で待機しているケツァ君のスタミナを気遣う。
まだまだ浮かんでいられそうだけれど、仲間になるまでどれぐらいかかるのか具体的な時間が分からないのは不安だ。
何せ前に仲間にしたときは俺達が洞窟へ入っている間に目を覚ましていたのだから。
だからやっぱり安全な場所まで移動してそこで起きるのを待った方が良いだろう……そしてここからだと一番近いのは豪雪地帯の洞窟前に作った簡易拠点……だけれど上手く降り立てなかったり途中で滑り落ちたりしたことを考えると危険極まりない。
それらも話し合い、最終的には山肌の拠点に向かいその敷地内で降りることにした。
背中に乗って力なく眠っているケツァ君の同種が何かの間違いで落ちないよう確保しつつ、ゆっくりと移動を開始する俺達。
おかげでというべきか何の問題もなく山肌の拠点へ辿り着き、安全な敷地内に降りたところで後はマァに任せることにした。
ただその前にケツァ君の背中でプラットフォームサドルだけは作っておいて、目が覚めたらこれを装着するようにだけ頼んでおく。
……二匹目のケツァ君かぁ……これでまたやれることが増えそうだし、性別次第では無限に増やせるかも……と思ったがどうやらこいつも♂のようだ……残念。
まあこればっかりはどうしようもないことだから気にしても仕方が……ひょっとしてロックウェル氏の料理に性別を反転させるものとかあったりしないだろうか?
流石にあり得ないとは思うけれどあの人ならそれぐらい突拍子もない物を編み出していそうな気も……まあでも今まで見つけた料理は全部動物には効果が薄い物ばかりだったから、もしあったとしても人間にしか効果がなさそうだし期待しないでおこう。
【今回名前が出た動物】
ケツァコアトルス(ケツァ君)
クニダリア(クラゲ)