ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第344話

七百三十二頁目

 

 マァと別れてから俺とオウ・ホウさんは二人で樹液の蛇口を取り付けるべく、山肌の拠点から少し降りたところにある硬い木々の密集している地帯へと向かった。

 そして比較的周囲に動物の居ない安全そうな場所に生えていた樹木に早速刺してみようとして……これがまた中々硬くて刺さらない。

 採取しやすいように根元の方に刺そうとしたのだが、この辺は身体全体の重量を指させる関係上がっしりしすぎていてとても歯が立たないのだ。

 

 仕方なく刺せる場所を求めて上に向かって幹を辿っていくと、ある程度の高さになったところでようやくズブリと差し込むことができた。

 どうやらこの高さの場所に丁度良いスペースが開いているらしく、幹自体が太いこともあってグルリと回りながら六個の蛇口を取り付けることに成功した。

 後は実際に捻ってみるだけだが……刺すだけならともかく、蛇口をひねり垂れて来る樹液を受け止めるとなるとアルケンABに乗ったままでは危なっかしくて厳しいものがある。

 

 安全のためにもしっかりとした足場を組み立てたほうが良さそうだが、結構地上から高いところにあるので家の延長線上の建築でどうにかしようとすると中々骨が折れそうだ。

 尤もフローラならあっさりと解決案を出してくれたような気もするが……そう思って右手首の鉱石を眺めてみると、思った通り丁度良さそうな新しい建築物を思い浮かばせてくれた。

 要するにプラットフォームだ……今までは動物の背中につける用だったが、それのこの樹木用を作ればいいのだ。

 

 これだけがっしりとした硬い樹木を支えなら俺達が乗ってもびくともしないだろう……そういう足場を作り樹液の蛇口のある場所の足場になる様に吊り下げればいいのだ。

 もちろんそんな特殊な構造の足場を作るとなると材料に例のごとくセメントが必要になりそうだし、ここは一旦離れて先にセメントを大量に回収するべく再び毒ガス洞窟へ向かうとしよう。

 

七百三十三頁目

 

 ガスマスクも作れるようになっている現在では、もはやこの毒ガス洞窟ですら浅い場所を出入りするぐらいならば何ら脅威を感じない。

 むしろ少し出入りを繰り返すだけで大量に湧いてくれる羽虫のおかげで、セメントが大量に集まってありがたい限りだった。

 ただ洞窟内のカプセルを回収することができないのは難点だが……アーティファクトを回収した今、カプセルが湧く奥に入るのはリスクが高すぎるためだ。

 

 洞窟内のカプセルの方が良いのが手に入る傾向なのは何となく経験でわかっているから残念だが、こればっかりは無理しない方が良いだろう。

 逆に言えばもっと楽に攻略できる洞窟に時折潜り、カプセルを回収して回るのはありかもしれないが時間が掛るからクラフトもやらなければいけない俺には難しい。

 だからオウ・ホウさんにそれとなく話してみると、何やら非常に前向きに頷いてくれた。

 

 何でもオウ・ホウさんは自分が攻略してない……彼が来る前に俺とフローラでアーティファクトを回収してしまった洞窟についても、一度は潜って中を確認して見たかったというのだ。

 或いはそこで有益な生き物を見つけられるかもしれないとも言うが……そう言えば考えてみたら、俺とフローラで洞窟を攻略して回った際はアーティファクトを回収するだけでヒイヒイ言っていて動物を仲間にする余裕とかは全くなかった。

 強いて言えばメガちゃんぐらいだが、あの子だって仲間にしようとしてしたわけではない。

 

 それに何よりメガちゃんが仲間になっている前例があるのだから、あの強敵ばかりの洞窟とは違って他の洞窟にいる生き物は仲間に出来るかもしれない。

 そう思うと今の戦力でフル武装したオウ・ホウさんに挑戦してもらうのは悪くないかもしれない。




【今回名前が出た動物】

アルゲンダビス(アルケンAB)
ティタノミルマ(羽虫)
メガネウラ(羽虫)
メガロサウルス(メガちゃん)
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