七百三十六頁目
セメントも大量に入手できて、また木炭を作るための木材も十分手に入った。
こうなると後は拠点に籠ってクラフト活動に専念するだけだ。
尤もあの強敵ばかりの洞窟を攻略するにはかなりの時間をかけて物資を蓄える必要がある。
果たしてその間にあの超巨大な肉食を含めてどこまでの戦力を増やしておくことができるだろうか。
何せこの洞窟を攻略してしまえば、もう俺達の目指せる目的はオベリスクぐらいしかないのだ。
……一体オベリスクを越えた先には何が待ち構えているのだろうか?
その辺もそろそろ考えておかないといけないかもしれない……最悪は何もなかった時に今後どう動くのかも考えておかなければ……。
ただ正直なところ、俺はその点については考えなくていいとも思っている。
何故ならこの島のほぼ中心ぐらいにある例の火山……その中にある不思議な扉にはその手前にオベリスクの起動装置とほぼ同じものがあるのを確認している。
そしてそこに空いた窪みはアーティファクトの形でこそないが、各種オベリスクに浮かび上がるホログラムの生き物の頭部を模したような形になっている。
だから恐らくオベリスクの先で討伐した生き物からその証拠としてその何かが手に入り、それをはめ込むことでここが開くのではと薄々考えていたのだ。
……もしこの推測が違っていたら逆にどうやってこの扉を開けるのかは皆目見当がつかなくなってしまうが……もしもオベリスクをすべて終えても何もなくてかつこの扉も開けないとなったらその時は……先達者様達の日記集めにでも専念して情報収集することにしようかな?
七百三十七頁目
拠点へと戻ったところでメアリーが気まずそうというか、小首を傾げながら少し相談があるとやってきた。
何でも彼女は新たに例の洞窟へ連れ込むようにパロロ君の繁殖を始めていたのだという。
尤も俺の記憶が確かならパロロ君は一匹しかいなかったはずだが、どうやらマァに頼んで少し前に♂♀揃えていたようだ。
そして個体数もそこそこ増やしてあったのだが、あの洞窟に連れ込むには幼体でなければならないために再度卵を産ませようとしたのだが……間違えて親子個体で繁殖させてしまったかもしれないというのだ。
もう既に産まれた子供は大きくならないうちにと強敵ばかりの洞窟内の防護柵で囲った安全な場所にレオ君の同種の子供とティラノの子供と一緒に置いてきたらしいが、どうも他の子達とは違った見た目をしていたようなのだ。
尤も形状ではなくて体色の方だけれど……何でも親とは似ても似つかない派手な色合いになってしまったらしい。
これは近親間で子供を産ませてしまったからこその変化ではないかとメアリーは心配しているようだが……尤も産まれてきた子供の体調に問題はなさそうどころか、むしろ他の同種の子供達よりずっと逞しい気すらするという。
……正直なところ、動物の世界で近親婚がヤバいのかの知識は俺には全くない。
恐らくメアリーもだろうけれど、人間の場合の知識は多少あるようでそれで色々と心配しているのだろう。
ただこの島の生き物は普通に産まれてきたわけではなく十中八九人工的に作り出されているわけで、もしも近親婚がヤバい結果を産み出すのならばそれを抑制するために手を加えていてもおかしくはなさそうでもある。
何よりメアリーとしては番を選ぶ際は親子にならないよう気を付けていたはずだというし、単純に生まれた子供が突然変異か何かを起こしただけという可能性もあるのだ。
だから実際に目に見える異常があるまでは気にしないでおくことにしようと提案した。
……しかしもしも親子間でも問題なく子供が作れるとすれば、♀が産まれるごとに父親の♂に種付けさせれば倍々の速度で動物を一気に繁殖させられるのではないだろうか?
【今回名前が出た動物】
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
パラサウロロフス(パロロ君)
ティラコレオ(レオ君の同種)
ティラノサウルス