ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第349話

七百三十九頁目

 

 あれから数日が経過したが、今のところ細かいトラブルこそあれど準備は順調に進んでいる。

 そのトラブルというのも、一つは前に見つけたカンガルーが肉類も果肉も食べてくれなくて仲間にできなかった上に運搬にも苦心していたところを肉食に襲われて失ってしまったことだ。

 しかもどうもメカステゴのように希少性の高い生き物だったようで、それ以来一匹目を見つけたところを中心に探索しても新しい個体を見つけることはできなかった。

 

 まあ残念ではあるが戦力としてはそこまで頼りになりそうではなかったからこれについては簡単に諦めがついた。

 ただもう一つのトラブル……というよりある意味での誤算は致命的とは程遠いけれど未だに尾を引いている。

 何故ならその要因となった生き物が……洞窟でよく見かけるムカデと蜘蛛が未だに山肌の拠点にあるサソリを軟禁している離れたところに作った施設で蠢ているからだ。

 

 まさかオウ・ホウさんがマァと今までの洞窟巡りを始めた際に、防虫剤を使用中なら手渡しで餌を与えられることに気づいてそのまま仲間にしてくるだなんて思わなかった。

 だからこそ急に二人がこれらの生き物を連れて帰ってきた時は俺ですら驚いたし、まして虫全開な見た目をしている生き物のお世話を頼まれそうになったメアリーは悲鳴じみた声を上げて俺に縋りついてきたのだ。

 しかもその時点ではまだ良かったのだが、たまたま他所へやろうと指示を出した際にうっかり二匹のお腹の方が見えてしまい……途端に俺を通じて周りの状況を感知しているらしいフローラが……右手首まで激しく痛み始めてしまった。

 

 確かに俺ですらちょっとキモイと思ってしまったけれど……とにかくそういうわけで、未だにあのムカデと蜘蛛に関してはサソリと共に隔離された状態であり、そっちに俺が近づこうとするとメアリーもフローラも文字通り痛いぐらいに引き留めて来る。

 おかげでお世話はマァに任せっきりだが、彼は意外と気に入っているらしく、背中に乗るためのサドルを作って欲しいとせがんでくるほどだった。

 ただトラブルと言ってもこれは悪い事ばかりではない……というのも、その二匹とも特殊能力を持っていたからだ。

 

 蜘蛛は糸を穿いて相手の動きを鈍らせることができるし、ムカデは金属の壁すら溶かせるほどの強力な酸の篭った液を吹き付けることができる……要するに二匹とも遠距離攻撃が可能なのだ。

 また二人が連れ帰ってきた生き物はもう一匹、どこかの洞窟で見かけたオオトカゲがいたのだがこいつは普通の動物と同じように眠らせることで仲間にしたらしいのだが……なんとレオ君の同種より器用に壁へと張り付いたまま移動することができた。

 しかも人間が背中に乗ったままでも余裕でそれこそスタミナが持つ限り移動できて、天井にすら張り付いて見せた。

 

 これは本当に便利で使い道があるかもしれない……ただ見た目と違って噛みつき攻撃しかできないこの子はそこまで戦闘面では頼りになさそうで、この後攻略する強敵ばかりの洞窟へ連れていくにはちょっと厳しそうだ。

 だから他のところで使ってあげたいところだが……この子ももっと早く仲間にしていれば活躍の場はあっただろうに……。




【今回名前が出た動物】

プロコプトドン(カンガルー)
TEKステゴサウルス(メカステゴ)
アースロプレウラ(ムカデ)
アラネオモーフス(蜘蛛)
プルモノスコルピウス(サソリ)
メガラニア(オオトカゲ)
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