ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第350話

七百四十頁目

 

 そう言えばもう一つ、早めに手に入れたかったと思っていたものにGPSがあったがこれが今は意外にも大活躍している。

 というのも例のフローラが教えてくれた料理に関することなのだが、実際に作ったあの料理は驚くほど便利な効果を持っていた。

 簡単に言えば草食動物用のメディカルブリューとでもいうべきもので、傷や体力を劇的に回復させる効果があったのだ。

 

 しかも匂いか何かでその効力を動物達も理解しているのか、わざわざ指示を出さなくても動物に持たせておくだけでお腹が減った時は元より身体が傷付いた際にも自ら食して傷を治そうとするのだ。

 これと豚の回復能力を組み合わせれば戦闘中でも傷を癒しながら攻撃の手を休めることなく戦い続けることができるだろう。

 だから大量に作って備えておくことで、今後は洞窟攻略から或いはオベリスクの試練で戦う際にも役立てることが出来そうだ。

 

 本当は肉食に使えればなお言うことが無かったのだが材料が材料なだけに肉食には効果が無かったのだ。

 まあ草食にも強い子はいるし、特にテリ君の同種なんかは下手な肉食に負けないほど強い上にサドルの設計図も持っているから防御面も頼りになる。

 そこへ更にこのケーキによる回復が加われば下手したらあの超巨大な肉食にすら勝てなくは……流石に厳しいかもしれないが、少なくともティラノなら完封できてしまいそうだ。

 

 そう思ってケーキを量産しようとそのための材料集めにも重点を置いているのだが、蜂蜜や畑はともかく樹液がまた問題だった。

 これは時間経過とともに蛇口の内部に貯まった分を採取するしかないために、効率的にするには複数の樹木から採取する必要があったのだ。

 しかしあの場所は硬い樹木が密集してしかも高いところまで伸びている物だから、空からでは周囲を一望できないのだ。

 

 かといって木々の中を飛んでいると幹に貼りついているレオ君の同種が飛び掛かってきて危険な上に、似たような光景ばかりでどの樹木からどれだけ採取したか、どころか果ては道にすら迷いそうになるほどだった。

 特に最初の頃などは蛇口を設置した一つの樹木がどこにあるのか探すのに物凄く手間がかかってしまった。

 その問題を解消してくれたのがGPSだった……こいつで樹液を付けた樹木の座標をメモしておくことでピンポイントで回収できるようになったのだ。

 

 このおかげで樹液の採取も捗るようになり、今では少しずつ確実にケーキの在庫も増えつつある。

 これが有れば例の強敵ばかりの洞窟内で運用することになるパロロ君もそう簡単には倒れなくなり、かなり奥の方まで運用できるようになりそうだ。

 ……丁度先日、中で育てていたパロロ君の子供が一匹成長しきったことだしそろそろどこまで潜れるかチャレンジしてみてもいいかもしれない。




【今回名前が出た動物】

ダエオドン(豚)
テリジノサウルス(テリ君)
ギガノトサウルス(超巨大な肉食)
ティラノサウルス
ティラコレオ(レオ君の同種)
パラサウロロフス(パロロ君の子供)
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