ARK とある青年の日誌   作:車馬超

357 / 1041
第357話

七百四十九頁目

 

 感傷に浸りかけていた俺達の肩をオウ・ホウさんが軽く叩き、気持ちは分かるが油断するべき時ではないと言い道の先を指し示した。

 そこには強敵であるシロクマと雪男が十匹以上の大群でウロウロしている……そうだ、ここは危険極まりない洞窟の中だったのだ。

 油断したらすぐにでも命を落とすこの島の中でも特に危ない場所……なのにこんな風に気を緩めていてどうするのか。

 

 軽く自らの頬を叩き気合を入れ直していると、そんな俺を見ていたメアリーもまた同じように顔を叩き真剣な面持ちで武器を構え直した。

 そして改めて敵をおびき寄せるために銃と矢で撃ち、すぐにティラノの居る場所へと引き返す。

 果たして思った通り奴らはティラノの待ち構える場所まで追いかけて来たが、道が狭いせいで数匹づつしか襲い掛かって来れなかった。

 

 数が数なだけに一斉に襲い掛かれたらティラノでもヤバかったかもしれないが、これならば何の問題もなく対処できる。

 実際にあっさりと敵を倒し終えた俺達だが、もしもこの先も同じような数がウロウロしているとしたらやっぱりティラノ抜きで進むには俺達の戦力が足りなすぎる気がする。

 もっと大量にレオ君の同種みたいな戦力になる動物を連れ込まなければ……それこそ海底の洞窟を攻略したときのサメ軍団のごとき規模が必要かもしれない。

 

 しかしただ戻るにしてもせっかくこの細い道に沸いている敵を一掃したのだから、慎重に進める限り進んで地形を把握できるだけしておこうという話になった。

 少し前に攻略した毒ガス洞窟の時のように、この先にまた人間がしゃがまないと入れないぐらい道が狭まっている可能性だってあるのだから……。

 

七百五十頁目

 

 念のためティラノが通れないか試してみたが、やっぱりこの細い道の途中にある光源を兼ねている壊せない硬い水晶が突き出ている部分に引っ掛かり先へと進むことができなかった。

 仕方なく俺達だけで慎重に進んでいくと、すぐにせまっ苦しい空間にぶつかった。

 左側に小さな池の様な水たまりがあるだけの場所で、右手側の壁沿いにあるまたしても細く狭い道に直接つながっている場所だった。

 

 一応この水たまりも軽くのぞき込んでみたけれど特に何もなさそうなのでスルーして細い道をさらに進んでいくが、これがまた水晶が凸凹していてレオ君の同種やワニが通るのも一苦労だった。

 尤もこちらの水晶は砕いて素材に出来るタイプなので片っ端からピッケルで壊してやることでスムーズに進めるようになった。

 そうして進んだ先にはまたしても小さい空間があり……敵がぎっしりと密集していて驚いてしまった。

 

 シロクマに雪男と狼、更にはいつもは穴の中に潜んでいるあいつも地上に出てうろついているではないか。

 地上にまで出てきているということはそれだけこの部屋に多く沸いているともとれるわけで……あなの中に潜んでいる個体も多そうだ。

 ……大きな肉食をあそこで排除しておいてこれとは……本当にこの洞窟は最悪だ。

 

 これでは進みようがないから引き返すしか……そう思ったのだが、オウ・ホウさんは少し地形と相手の体格を観察すると防護柵を利用すれば上手く排除できるのではと言い出した。

 実際に防護柵を道に沿うように縦置きすることでお互いに行き来出来ないほどに道は狭まったが、ほんの僅かに隙間が空いているためここからこちらは遠距離武器で攻撃することはできる。

 それに対して向こうは遠距離攻撃できる奴はいないし金属の防護柵を壊せる奴もいない……確かにこれなら安全に退治できそうだ。

 

 尤も弾薬が凄まじい勢いで消費されそうだが……とにかく今回持ち込んだ弾薬でやれるだけはやっておこう。

 そうして上手くこの場所の敵を排除出来たら防護柵でまた安全を確保することで、ここまでは殆ど弾薬を消費せずに進めるようになるのだから……今回攻略しきれなくても次回の攻略にはきっと役に立つことだろう。




【今回名前が出た動物】

ホッキョクグマ(シロクマ)
イエティ(雪男)
ティラノサウルス
ティラコレオ(レオ君の同種)
バリオニクス(ワニ)
ダイアウルフ(狼)
プルロヴィア(穴に潜っている奴)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。