ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第358話

七百五十一頁目

 

 アサルトライフルの弾を打ち尽くすぐらいの勢いでまず目に見えている敵を排除しきった俺達は、一旦防護柵を回収すると更に入り口まで近づいて設置し直しながら、いつも通りパロロ君二世に敵の残りを探知してもらうことにした。

 すると何と例の奴が十匹も隠れているではないか……こんな狭い部屋にこれだけ詰め込まれている事に驚くが、それ以上に恐怖が湧き上がってくる。

 もしも何の対策もせずにこの部屋に足を踏み入れていたら間違いなく四方八方からあいつに飛び掛かられて、俺たち全員動けなくされたところを……本当に油断のならない場所だ。

 

 ひょっとして先ほど見つけた氷漬けになった人もまた、ここでズタボロにやられてしまい、何とか逃げようとしたけれどあの場所で力尽きたのかもしれない。

 しかしこうして敵の居場所を探知で来た以上はもう問題はない……今まで通りロケットランチャーで一匹ずつ追い立てて処理するだけだ。

 そうしてあっさりとこの部屋から敵を倒し切った俺達は、改めて防護柵をあちこちに設置して安全を確保していく。

 

 その上で先に進む道を調べようとしたが今度はあっさりと見つかった……二つも。

 ちょうど隣接するように奥へと進む二つの道は、然し片方は坂道になっていてもう一つは緩やかな下り坂になっている。

 この洞窟に入ってから初めての分岐点というわけだ……正直敵も環境もきつすぎる場所だから洞窟の構造自体はシンプルな一本道なのではと思っていたのだが、やはりそんな簡単な話ではなかったようだ。

 

 もちろんこうなるとまた皆での話し合いが始まる。

 どちらの道に進むべきか、或いは弾薬も付きかけている以上、今度こそ引き返すべきか……。

 

七百五十二頁目

 

 やはりティラノも居ないこの状況で弾薬まで尽きていては先に進むのは難しい。

 だから引き返すということで話はまとまったが、どうせなら敵の姿が見える場所までは地形を観察しておこうということになった。

 そうしてできるならばこの二つの道のどちらが正しいのかも確認しておきたい。

 

 パロロ君二世の能力を小まめに使えば早い段階で敵を見つけられて、さっさと安全に逃げ帰れるからこその選択だった。

 そしてどちらから進むか考えたが、メアリーが今まで下へ下へと潜ってきたのだから下るルートが正しいのではないかという。

 確かにここまで下がらせておいてここで坂道を登らせるのはミスリードのような……でもそう思わせておいてこっちが正しいルートという可能性も捨てきれないような……。

 

 しかしどちらにしても今回は引き返すのだから間違えてもいい……だからこそ俺達は素直に下り始めて、少し進んだあたりでパロロ君二世に敵を感知してもらった。

 ……そしてすぐに引き返す羽目になった……だってまた二十匹近い敵の反応があったのだから……本当にふざけている洞窟だこと。

 尤もまた細く狭い道が続いていたので、弾薬さえあれば先ほどのやり方で敵を一掃すること自体は不可能ではなさそうだが……とにかくアサルトライフルの弾を大量に持ち込もう……それとレオ君の同種を含めた動物ももっと大量に連れ込もう。

 

 内心そんなことを決意しつつ改めて今度は坂道の方を進んでいくと、こちらには敵が居なさそう……というかあっさりと行き止まりについてしまう。

 どうやら高台になっているらしく、眼下には先ほど進んだと思わしき道が見えているが……パロロ君二世が探知した通り細長い道……というかここみたいな高台と高台に挟まれた窪地のような場所に敵が密集しているのがはっきりとわかった。

 ただそんな事より俺達の意識を引き付けていたのが……その高台の上で赤く輝く逆三角錐型のカプセルだった。

 

 こんな危険な洞窟にあるのだからきっと良い物が取れるに違いない……多分俺達の誰もが同じことを考えていたと思う。

 だからなのか全員がほぼ同時に手を伸ばしていて、そして全員の鉱石が緑色に淡く光ったかと思うとカプセルが消失して……一枚の紙きれが残った。

 ドキドキしながら全員でその設計図を眺めて驚愕した。

 

 何せ予想以上ともいえる成果だったからだ……そこに書かれていたのはギガノトサウルスという生き物の……あの超巨大な肉食につけれる高品質なサドルの作り方だったのだから。




【今回名前が出た動物】

パラサウロロフス(パロロ君二世)
プルロヴィア(穴に隠れている奴)
ティラノサウルス
ティラコレオ(レオ君の同種)
ギガノトサウルス
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