ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第359話

七百五十三頁目

 

 ギガノトサウルスの設計図はある意味で切り上げるちょうどいいきっかけになった。

 あのただでさえ恐ろしいほどに強い超巨大な肉食にとって唯一の弱点が、傷付き過ぎると暴走するという点……未だに苦々しい記憶と共にこびり付いている。

 しかしこの設計図を基に作った高品質なサドルさえあれば、そのリスクもかなり抑えられることだろう。

 

 何よりもこの洞窟を攻略後に挑むオベリスクの試練では、間違いなく今までにない強敵との戦いが待ち受けているはずだ。

 少なくともドラゴンとは戦わなければならないらしいし、そうなった場合に俺達の最大の戦力となるあの超巨大な……ギガノトの防御力を高めておくのは何よりも必須事項だった。

 皆も同じようなことを考えていたようで、自然とまずはこれを安全に持ち帰ろうという話でまとまったのだ。

 

 とりあえずこの場所まで比較的安全に来れるよう防護柵を並べて……特にあの細い道を埋め尽くす勢いで配置していく。

 設置してから時間が経ち過ぎると凍り付いたりして環境と一体化して動かせなくなる可能性もあるが、まあ素材は山ほどあるしその時は壊してしまえばいいだろう。

 それよりもこの細い道で襲われるリスクの方がずっと恐ろしいし、先に進むためにここに沸いた敵を広いところまでおびき寄せるような真似も面倒だしリスクが高いからやっぱり防げるなら防いでおいた方が良いだろう。

 

 そうして帰ろうとして途中で例の凍り付いた死体と再び対面し……少しだけもっと暖かい場所に埋葬してあげようかとも思った。

 だけどやっぱりガチガチに凍り付いていて動かせそうにないし、何より人一人を背負うのは結構な重労働だ。

 そんなことをして動きが鈍ったところを襲われて俺達まで死んでしまっては元も子もなくなってしまう。

 

 だから改めて両手を合わし内心で謝罪してその場を後にする俺達。

 金属の防護柵で後方から襲われないよう安全を確保しつつ、更にパロロ君二世に敵がいないか探知を繰り返しながら外へと向かう俺達。

 果たして帰り道にもまた敵が湧いていたが、殆どが来るまでに設置した防護柵の外側に居るがために俺達には手が出せないようだった。

 

 ……しかしこうして戻ってみると既に三つほどの部屋を越えてなお終わりが見えてない奥深すぎる洞窟だとはっきりわかる。

 極寒の環境と言い敵の強さに能力の厭らしさ、それに数……更には地形の複雑さで出入りできる生き物も制限と、本当にこの洞窟はとびっきりの難易度だったようだ。

 ここまで事前準備を終えて置いてなおまたしても引き返す羽目になるとは……だけど確実に攻略は進んでいる。

 

 初めて洞窟に潜ったころのように手も足も出ずに撤退しているわけじゃないのだ

 だからこそ悔しさなどとは無縁で、むしろ頭の片隅では次の段取りを考えつつ、堂々とした足取りで俺は外へと向かうのだった。

 ……だけどやっぱりティラノ抜きで進むのはきついなぁ……あの細い道を進めめてティラノと同等の火力を出せる、そんな小柄な肉食が居れば助かるのだが……そんな都合の良い生き物は居ただろうか?




【今回名前が出た動物】

ギガノトサウルス
パラサウロロフス(パロロ君二世)
■■■■■■■(ティラノと堂々の火力を出せる小柄な肉食?)
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