ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第360話

七百五十四頁目

 

 ゆっくりと慎重に進み、また戻る時も同じようなペースだったためか外に出た時には既に辺りは薄暗くなりかけていた。

 しかし不思議なことに出る直前の洞窟内は驚くほど明るかった……それこそ夕暮れの今では外のほうがずっと暗く見える。

 そう言えばもう一つ豪雪地帯にある洞窟も外からの日差しが差し込まない所なのに関係なく明るかった。

 

 他の洞窟とはかなり違うが思い返してみれば洞窟内には最低限の光源があるが、あの洞窟は壊せない水晶が光り輝いていた。

 それ以外の場所は仄かに光るキノコだかヒカリゴケだかだったのに……まああんな極寒の地では植物が育つはずも無いし、それであの水晶で代用しているのだろう。

 恐らくは海中にあった洞窟で海底に敷き詰められて光っていたのと同じ物なのだろう。

 

 しかしあそことは違ってこの洞窟では何もかもが凍り付いていて、その表面が鏡面代わりとなって光を反射し続けた結果、あのように昼も夜も関係ない明るさになっているのだろう。

 つまりはこの洞窟に関しては出入り口付近さえ光源を確保していれば夜でも普通に洞窟内を探索することが出来そうだ。

 これだけ広く敵も多いとなると探索にも時間が掛るから行動可能時間が増えるのはありがたい限りだ。

 

 まあそれはともかく、今回は一旦拠点に戻ってこのサドルの設計図を保管して一休みだ。

 その上で新たに分かった情報を元に、再びこの洞窟の攻略方法を模索していくとしよう。

 

七百五十五頁目

 

 洞窟を抜け出した俺達はとりあえずは疲れを癒すため朝まで休み、それから行動を開始することにした。

 まずは持ち込んだ武具の修理に始まり、次いで皆で手分けしてあの洞窟の細長い場所を進めて尚且つ戦力になりそうな子を捕獲した中から探して回る。

 そしてまず目星をつけたのが豪雪地帯を練り歩くモフモフとした身体の肉食だ。

 

 この子はちょうどティラノより全体的に身体が僅かにだが小さいために、頑張ればあの場所も通り抜けることができるかもしれない。

 ただ問題はあの狭い通路は高さも厳しかったため、人間が背中に乗って移動するのは無茶だということだ。

 まあ護衛として連れて行く分には問題がないかもしれないが、あの通路を通れるギリギリの幅だということはその先で更に道が細くなっている場所が有ったらまた詰まってしまうということでもある。

 

 だからとりあえずこいつを連れ込めるよう諸々のことをメアリーに頼みつつ、残る俺達はもう一回りほど身体が小さくて力強い子を探してみることにした。

 マァとオウ・ホウさんには無線機を持たせて野生の個体を探してもらい、俺は改めて他の拠点も含めて保有している動物を一から確認し直していく……が、もう凄い数を捕獲しているがためにこれがまた重労働……というか物凄く時間が掛りそうな気がする。

 

 ……こんな事なら俺も外で動き回ってた方が楽だったかもなぁ。




【今回名前が出た動物】

ユウティラヌス(モフモフの肉食)
ティラノサウルス
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