七百五十九頁目
予想以上に二度目の支度は早く終わった。
弾薬に関しては他の皆の協力があったことは前に書いたと思うが、動物の方も増産のより良い効率化に成功したのだ。
尤も余り褒められたことでは無いかもしれないが……というのもパロロ君二世の経験を活かして近親婚も積極的にさせることにしたためだ。
そのため♀が増えるごとにどんどん受精卵が産み落とされる速度が早くなり、結果的に数を揃えるまでの時間が短縮したのだ。
おかげで洞窟内で育っている子は殆どが♂なのだが……まあ男女でほぼ戦闘能力に差は出ないから気にすることは無いだろう。
ただどの種類の動物も一匹だけは♀を交えており、これにより♂♀ブーストを掛けることにも成功している。
……母親だろうが姉妹だろうが、とにかく♀が傍にいれば♂はやる気を出すらしい……まあ近親婚のリスクも余り無いようだし、動物の世界に人間の倫理を持ち込んでも仕方がない。
しかし一つだけ気になるのは近親婚を繰り返してもパロロ君二世の様な明らかに体色の違う子が産まれたりしなかったことだ。
もちろんあの子のように目に見えて身体能力が親より優れているということも無い……ひょっとして本当にたまたま突然変異で産まれ落ちた特別に強力な個体だっただけかもしれない。
どうすればまたあのような強い子が産まれるのか条件を知りたいところだが、これだけ多く繁殖させていながら一匹しか生まれていない以上は情報が少なすぎて考えようもないことだ。
何より棚からボタ餅とばかりに効率的な繁殖方法を見いだせたのだから良しとしておこう。
とにかくそういうわけであらかた支度を済ませた俺達は早めにベッドへ潜り仮眠をとると、メガちゃんが起きる時間帯をめどに行動を開始した。
……洞窟を夜中に攻略するのは初めてだ……内部が明るいのは事前に確認済みだが……なにやらイケナイことをしているみたいで何となく興奮する。
七百六十頁目
再び強敵だらけの洞窟に潜った俺達だが、今回の陣容は前回より遥かにパワーアップしている。
何せ前の集団に加えてメガちゃんの同種が六匹にレオ君の同種が十匹追加され、更にその後ろから今回は皆を鼓舞して強化できるモフモフの肉食……雪山にしかいないことと皆に勇気を与えることからユウキィと名付けた子を連れているのだ。
もちろん重火器の弾薬も前回の倍以上持っているし、それとは別にパロロ君二世と同様に一匹だけ連れ込んだビーバーには大量の火薬を積み込んである。
別の動物には金属のインゴットを含めた色んな素材も分散して持たせてあるから、これを集めれば現地で弾薬は愚かグラップリングフックの様なものだって作ることが可能なのだ。
だから仮にアーティファクトが厄介な位置にあっても……それこそマグマの洞窟やもう一つの豪雪地帯の洞窟のように複雑な地形が邪魔をしていても問題なく回収できるはずだ。
また旋盤が無ければ部品が作れない武器はともかく、防具一式に関しては借りに壊れても現地で修理することもできる。
後は夜中ということでより寒い可能性と、何より長引いたときのことも考えて今回はフリアカレーも事前に食すだけでなく持ち込むことにしている。
途中で効果が切れることはないと思うが用心に越したことはないのだから。
とにかくこれで準備は万端だろう……考えられる限りの物資と戦力を整えたことだし、今度こそこの洞窟を攻略しきってしまいたいものだ。
【今回名前が出た動物】
パラサウロロフス(パロロ君二世)
メガロサウルス(メガちゃん)
ティラコレオ(レオ君の同種)
ユウティラヌス(モフモフの肉食、ユウキィ)
カストロイデス(ビーバー)