ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第369話

七百六十八頁目

 

 今回手に入れたアーティファクトを豪雪地帯にあるメイン拠点へ持って帰ったところで、今日のところは休むことになった。

 何だかんだであの洞窟は非常に奥深く厄介だったから時間だけではなく体力と神経も消耗してしまっている。

 だからこそまだ早いけれど今日のところは最低限の事だけして休養することになった。

 

 マァやオウ・ホウさんは体調管理の重要性を知っているためか、さっさと眠りに行きメアリーはあちこちの拠点に居る動物達の孵化状況を確認してから休むと運搬用のケツァ君に乗って飛び立っていった。

 俺もまた少しでも休もうと思うがまだあの洞窟を……いや全ての洞窟を攻略しきったという事実に興奮しきっているのか、眼が冴えて眠れそうになかった。

 こんな状況でベッドに横になっていても逆に疲れるだけだ……そう思った俺は何かやることが無いかと拠点内を見て回る。

 

 ……はずだったのだが、気が付いたら金庫に入れてあったアーティファクト全種類を取り出して眺めて悦に浸ってしまっていた。

 本当にこれを全て俺達が集めたのだ……ここまで長い長い道のりだった。

 初めて見つけた洞窟ははっきりと覚えている……あの毒ガスが噴き出す虫ばかりの凶悪な洞窟で、何も知らずに立ち行ってボロボロになって追い返されたものだ。

 

 あれから洞窟がトラウマになりかけていたというのによくぞまあここまでやれたものだ。

 それもこれも全てフローラと出会えたおかげだ……あの子と出会えたから俺は生きる気力を取り戻せて、また彼女の勧めでもう一度洞窟を攻略する気になったのだから。

 彼女と出会えなければ俺はとっくに命を落としていただろう……こんな俺をフローラは立派なサバイバーだと言ってくれたけれど……これで少しは君の評価に釣り合える男になれたかな?

 

 この先何が待ち受けているかは分からないけれど、とにかくフローラが称えてくれたサバイバーという称号に恥じないよう最後まで生きることを諦めずに戦い抜こう。

 ……そんなことを思いながら机の上に並べたアーティファクトを見つめていたが、こんな微妙に発光している希少そうな物品なのだからもっとちゃんと飾っておきたいような気もしてくる。

 何かいい方法は……と鉱石を見て考えかけたところで、前に作ろうと思って結局忘れ去っていた台座の事を思い出した。

 

 確か黒曜石で作れるからって回収してきたんだけどあの日はペンギンショックを始め、新しく来た人間にフローラが襲われかけたりして……とにかくトラブル続きでそれどころではなく、自然と忘れ去ってしまっていたようだ。

 資源も大量に採取している今ならば黒曜石も余っている……だから今度こそ忘れないうちに作ってしまおうと、早速俺は作業机に座りアーティファクトの個数分だけ台座を製作し始めるのだった。

 これを完成させて適当にアーティファクトを飾ったら、今度こそ俺もベッドで休むとしよう……明日からはまたオベリスク対策のために忙しくなるのだから……。

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