百二十四頁目
気が付いたらベッドの上で目を覚ましていた。
あの後の記憶はあいまいだが、どうやら最後の気力を振り絞ってベッドまで戻ったようだ。
その証拠とばかりに血の跡が外からベッドまで続いているし、見れば乱暴にだが自力で傷口を塞いだ跡もある。
とにかくギリギリだった……あと一歩で死ぬところだった。
空を飛べたから感激して忘れかけてきたが、本当にこの島はちょっとした油断が命取りになりかねない。
これからはさらに気を付けなければ……こう誓うのも何度目だろうか。
いい加減少しは成長したいものだ……せめて同じ間違いは犯さないようにしたい。
百二十五頁目
拠点からすぐ近くのところであのクソ猫がこちらを見ていることに気が付いた。
恐る恐る仲間と共に近づいてみたが、ちゃんとこちらを仲間だと認識してくれているようだ。
尤も一度殺されかけているから流石にいい印象はない……名前もクソ猫で十分と思う。
尤もこいつの牙は鋭いし、テリ君の傷が癒えるまでの護衛役としてはちょうどいいかもしれない。
そのためにもサドルを作って背中に乗れるようにしておきたい。
ちょうど日も落ちてきたことだ……ここからは工作タイムと行こうじゃないか。
百二十六頁目
ダーちゃんとチョウ君のサドルを作ったが、こいつらが意外と面白い特徴を持っていた。
何と高い所から飛び降りた後、その退化した翼をばたつかせることでゆっくりと滞空しながら安全に降りることができるのだ。
今のところ使い道は思い浮かばないが、この特徴は覚えておいて損はないと思う。
問題はあのクソ猫だ、あいつのサドルには強度が欲しいため鉄が必要になりそうだがやはり数が足りないのだ。
一応あちこちの岩を砕きまくって集めた金属鉱石を溶かしてはいるけれど、今までの手持ちと合わせても作れるのはクロスボウかテリ君のサドルかクソ猫のサドルのどれか一つだけだ。
もちろんテリ君のを最優先、と言いたいところだけれど傷が癒えるのがもう少しかかる以上そうしたらまたしばらく足止めを食ってしまうだろう。
だからと言って後回しにしては、今後これだけ金属鉱石を揃えるのにどれぐらいかかることか。
はぁ……どっかに金属鉱石の塊でもあればいいのに……
百二十七頁目
麻酔矢の補充作業を行いながら、今後の方針を考える……前に道に迷う問題をどうにかしようと思った。
そして思いついたのは自作の地図と方角を知るためのコンパスのようなものを作ることにした。
ただコンパスの方は作成が難しく、左手首の鉱石の力を借りても磁石部分の為に溶かす前の金属鉱石が必要になりそうなのだが……もう全て溶かした後だった。
後悔先に立たずとはこのことか、尤も代わりにレオ君の……クソ猫とよんでいた子のサドルを作ることには成功した。
急に名前まで変えたのはこの子が意外に役立つ能力持ちだと知ったら愛着がわいたからだ。
何とこの子は木の幹に貼りついていたみたいに俺を背中に乗せたまま壁を這い上がることができるのだ。
これは崖や谷が多いこの島を探索する上で便利すぎる、だから虎に似ている見た目からレオ君となづけてあげたのだ。
何よりこの子は戦闘力も高い、おまけの護衛としてダーちゃんとチョウ君も居る。
これならばテリ君の傷が癒えるのを待つまでもなく先に進めそうだ。
しかしコンパスがない以上、これ以上探索しても仕方がない気もする……やはりそろそろ一番最初の拠点に戻ることを考えるべきだろうか。
【今回名前が出た動物】
ティラコレオ(クソ猫・レオ君)
テリジノサウルス(テリ君)
テラーバード(ダーちゃん・チョウ君)