ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第370話

七百六十九頁目

 

 あれから丸一日を休暇に費やした俺達は、改めて台座に飾ったアーティファクトの元に集まった。

 金庫に転がしていた時は儚い光しか放っていなかったそれらは、専用の台座に飾った途端に洞窟に鎮座していた頃のように僅かに浮かび上がったところでそれなりに明るい光を放ち始めた。

 もちろん燃料も何もいらないし電線も不要で光り輝くアーティファクトは、或いは上手く使えば洞窟などで光源代わりに利用できるかもしれない。

 

 尤もアーティファクト自体が貴重な物なので、それを失うリスクを考えればとてもそんな真似は出来ないのだが……ともかくこうして拠点内での光源代わりにする分には神々しさもあって何となくいい感じの便利なインテリアに見える。

 実際にメアリーはかなり気に入っているようで、自分の部屋や済んでいる拠点の壁などにも飾ってみたいというが……フローラも似たようなことを考えているのか右手首の鉱石が結構頻繁に点滅している。

 でもまあやっぱりアーティファクトをそんな気軽に使おうとは思えない……何せこれから挑まなければならないオベリスクの試練を受けるための必須アイテムでもあるのだから。

 

 早速いつ、どうやって、どこまで準備した時点で、どの順番で攻略しようかの話し合いを行ったが、これが中々上手くまとまらない。

 危険な生き物が居る場所だから万全に準備したいというのは皆一致しているが、そのラインがかなりあやふやでバラバラなのだ。

 まず俺としては主力である超巨大な肉食……ギガノトサウルスが十匹ほど育ちきった時点で高品質のサドルを付けて、周りをユウキィや豚、そして同じく高品質サドル&ケーキを持たせたテリ君を適当な雌とセットで固めておき、後はティラノを可能な限り連れて挑めば何とかなるのではと思っている。

 

 それに対してオウ・ホウさんは概ね同意してくれているが、向こうで何が有るか分からない以上はもうワンセットずつアーティファクトの予備を集めてからにしたいというのだ。

 またマァなどは例の超巨大な草食をもう一度見つけて、それをどうにかして捕獲してからがいいというしメアリーに至ってはもっと万全に準備したいといい、何ならば背中にプラットフォームを背負わせれる恐竜を連れ込み拠点設備を完備した状態で挑みたいというのだ。

 確かにメアリーの言う通りに完璧なまでに設備を整えて……それこそオートタレットで防備を固めた状態で挑むのが一番安全ではあると思う。

 それなら万が一の時でも足りないものをすぐにその場で作れるし、防具などが壊れても即座に修復することもできるからだ。

 ただそれだとまたしても大量の資源を集める必要が出て来て、特にオートタレットに装填する弾薬の準備に相当の時間が掛かってしまうだろう。

 

 逆に言えば時間さえかければできるということではあるのだが、洞窟のアーティファクトをすべて集め終えた状態でいつまでもオベリスクに挑まずにグダグダしていたら管理者が何かしてきそうな不安がある。

 何せ管理者は俺達の停滞を決して許そうとしないのだから……そう考えるとそこまでの準備をするより前に挑んだ方がいい様な気亜するのだ。

 とにかくそういうわけでお互いの主張が中々嚙み合わなくて会議は難航しているのだが、たった一つだけ即決で決まったこともあった。

 

 それは挑むオベリスクの順番であり、唯一アーティファクトが四つ必要な赤いオベリスクだけは最後に回そうという点だった。

 軌道に必要な条件が難しいということは間違いなくそれ相応の難易度であるということだろう……何よりホログラムとして浮かび上がった相手が他の場所は蜘蛛とゴリラという一応は俺達の世界にも居る生き物なのにも関わらず、赤いオベリスクだけはドラゴンという空想上にしかいない恐るべき強敵なのだ。

 まあ前に仲間にしたユニコーンの例を考えるとただの大きなトカゲでしかない可能性もあるが、それでもこの島の管理人なら膨大な体力なり頑丈過ぎる身体だったりする調整をしてあっても不思議ではないのだから……。




【今回名前が出た動物】

ギガノトサウルス
ユウティラヌス(ユウキィ)
ダエオドン(豚)
テリジノサウルス(テリ君)
ティラノサウルス
ティタノサウルス(超巨大な草食)

■■■■■■■(緑のオベリスク・大蜘蛛)
■■■■■■(青のオベリスク・巨大なゴリラ)
ドラゴン(赤いオベリスク)
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