ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第371話

七百七十頁目

 

 かなり長引いた話し合いだが、最終的にはほぼ俺の案が通ることになった。

 ただ同時に余暇を利用して他のメンバーが主張したことも同時進行で行って良き、もし其方の目途が付いたらその場合はそちらにプランを変更するという形になった。

 尤もメアリーの案だけは時間がかかり過ぎるのでほぼそのやり方に変更されることはないだろうが、マァのいう超巨大な草食の方はもし見つかれば即座に捕まえに行くことになっている。

 

 それに対してオウ・ホウさんは他の誰かが動けそうなときに二人以上で洞窟に挑んでいくつもりのようだが、一度攻略していることもあるし何より前々から再挑戦していたこともあって既に六種類ほどは集まっている。

 だからひょっとしたら普通に予備は間に合うかもしれない……そしてその場合はオウ・ホウさんは一度無駄に使うぐらいの気持ちで遠距離からオベリスクを起動させてどんな挙動をするのか確認してみるのも良さそうだという。

 確かに先達者様の日記でワープするとはわかっているが、実際にどんな風になるのかは全く分かっていないのだから警戒するに越したことはないのだから……。

 

 とにかくそうして方針が決まったことでそれぞれ動き始めたわけだが、基本的にやることは変わらない。

 マァとオウ・ホウさんは外を探索して動物の捕獲とカプセルの回収を行い、メアリーが動物を繁殖させていく。

 そして俺は設計図からギガノトのサドルや防具などを作ったり弾薬類の確保とその為に必要になる金属のインゴットや木炭を作るために工業炉に素材をぶち込みまた化学作業台で色んな事に使えるセメントや発火粉に火薬、麻酔薬などを調合してまた時には他の面子のフォローに入り……まあ要するに雑務係ということだ。

 

 戦闘・捕獲・育成と専門分野っぽいのが決まってる他の皆に比べると中途半端というか器用貧乏というか……フローラもクラフトが得意だったから本当に俺だけ光るものがない……劣等感を感じるという程ではないが、ちょっと情けない。

 まあ他の皆は大抵のことをこなせるから頼れるとか助かるとか言ってくれてるし、右手首にあるフローラの鉱石もそうだというように仄かに光ってくれて入るのだが……俺も何か突出した能力……力を身に着けたいものだ。

 

七百七十一頁目

 

 洞窟の再攻略をしようというオウ・ホウさんの行動は予想外に良いメリットをもたらしてくれた。

 何故ならアーティファクトの予備が増えるという以外にも洞窟内にあるカプセルの回収も行えるために、良い設計図や実物が集まってくるのだ。

 やはり何度か考察した通り洞窟内にあるカプセルからは良いものが取り出せるようだ。

 

 また他にもオウ・ホウさんやマァが持って帰ってきてくれる品物とそれを取り出したカプセルの色を記録してもらって検証した所、どうも白<緑<青<紫<黄<赤の順で良い品というか高度な技術が使われた物が手に入る様子だった。

 考えて見れば確かに黄色や赤いカプセルは初めて見つけた俺は開けることができなかった……つまりはサバイバル能力が足りなければ開けないという制限が課せられていたのだから、その分だけ良い物が手に入るのは納得できる。

 話を戻すがそうして洞窟を行き来してくれたオウ・ホウさんのおかげで、何と上手いこと金属の防具一式の設計図を揃えることができたのだ。

 

 元々頑丈な金属の防具なだけにそれの高品質を、しかも素材さえ足りていれば幾らでも作れるようになるのはありがたい限りだった。

 そしてもう一つ、地味に布の防具と皮の防具の設計図も集まってきている……これらはそこまで防具として優れてはいないが高品質な物となれば多少は話が変わってくる。

 何よりも作業机が無ければ制作は愚か修理すら敵わない他の防具と違って、この二種類だけはいつでもどこでも修繕することができる。

 

 おまけに使用する素材も基本的に簡単に集められる皮と繊維が中心だからそういう意味でも便利に使いまわせそうな点も良いと思われた。

 他にはガリミムスとかいう前に一度見かけたが逃がしてしまった動物のサドルや、戦闘用でないアンキロとドエディクルスという名前らしいアルマジロ、それにユタラプトルのサドルの現品を手に入れることとも出来た。

 しかし一点しかなくてはやはり使いづらく、何より他に沢山頼りになる動物が居る状態で今更この子達を前線に出すことはないだろう。

 

 だからこれらを始め要らない品に関しては全て粉砕機に入れて素材へと変換させてもらったが、これもまた中々ありがたい臨時収入になった。

 本当にあのカプセルだけはこの島の管理人が用意したとは思えないほどの救済処置だと思う……いや、管理人が用意してくれてるのかどうかは分からないのだけれど……素材や発光の仕方がオベリスクやアーティファクトによく似ているから多分そうだとは思うが……そう言えば何のためにこのカプセルは提供されているのだろうか?

 これも俺達をこの島でサバイバルさせることと何か関係が有るのか……それともただ単に来たばかりの人間が一カ所に固まらないよう適当な目標として投下しているだけなのだろうか?




【今回名前が出た動物】

ティタノサウルス(超巨大な草食)
ギガノトサウルス
ガリミムス
アンキロサウルス
ドエディクルス
ユタラプトル
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