ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第372話

七百七十二頁目

 

 段々とギガノトの数が揃い始めてきたこともあり、俺とマァは二人で協力して実際にギガノトをどうにかして飛行運搬できないかについて挑戦してみるようになっていた。

 もちろん目指すのは一番近くにある青いオベリスクだ。

 単純に距離が近いからという理由で選んだのだが、しかしそれでも中々きついものがあった。

 

 豪雪地帯の拠点からすぐそこにある山の頂点にあり、直線距離にすれば本当にあっという間につきそうな物なのだがこの山がまた急斜面で登れるところが限られているのだ。

 またギガノトは背が高すぎるせいで大抵の障害こそ踏破できるが、背中に乗っていると足元が見ずらく登れる斜面とそうでない場所が区別をつけづらいのだ。

 その上下手に足を滑らせて身体を傷つけようものならその衝撃で暴走する可能性も……まあこの点は高品質のサドルが身体の大半をしっかりガードしていることと、産まれてきた子供たちが思った通り野生で捕まえた個体とは違い麻酔で長時間眠らせてないこともあってか体力が桁違いであり未だに一度も暴走したことがないぐらい優秀なのだが……やはり警戒するに越したことはない。

 

 だからこそやはり一気に運べる方法としてどうにかケツァ君で運べないか試すようになったのだが、一応は二匹目の運搬専用にしたケツァ2君なら何とかなりそうなのは分かった。

 ただどうしてもプラットフォームに余計な重量を掛けないよう最低限の部材で作ったから引っかかりが少なくて、よほど慎重に運搬しないと落下しかねないという点が厄介だった。

 これでも至近距離にある青いオベリスクまでなら何とでもなるが、ある意味でほぼ対角であり一番遠くにある緑のオベリスクまで運ぶのは中々骨が折れそうだ。

 

 これならばやはり例の超巨大な草食を何とか捕まえてその背中にプラットフォームを着けていっぺんに運ぶのが一番早く済みそうだ……けどどこにも見当たらないのがなぁ……。

 弾薬類もかなり溜まってきたことだし、最近は設計図もダブりやクラフトしても性能が反映されない弾薬類などの無駄な物ばかりで作っておきたい物も少なくなってきたことだし……久しぶりに俺も外での探索に協力してみようかなぁ?

 

七百七十三頁目

 

 結局超巨大な肉食も見つけられないうちにギガノトの個体数が十匹に迫ってきてしまった。

 尤も万が一ワープした先でどちらかの性別の子が全滅したら困るので、この場に残していく♂♀ワンセット分も余計に繁殖させなければいけないのでもう少しは時間が掛かりそうだが、だからと言ってそんな短時間で超巨大な草食を見つけられるとは思えなかった。

 それに俺達は今、一匹ずつギガノトのお世話もしているから自由に動ける時間も少なくなってしまっているのだ。

 

 これは実際にギガノトへ乗って試運転をして見た際に判明したのだが、ちゃんと幼少期に刷り込みをしてまた育児もこなしていたメアリーが乗った時とそれ以外の人が乗った時でやる気が全然違ってきて、身のこなしを含めた戦闘力がかなり変化するのだ。

 すると結果的に敵からの被弾量も減るしもちろん暴走する可能性はさらに少なくなる……こんな単純で強力なバフ効果を見逃す手はないということで俺達も自分が乗る一匹は育てることになったのだ。

 それぞれ見分けられるようペンキで個性豊かに色分けしてついでに名前も付けた……あんまりこいつに良い印象の無い俺だけれど、いつまでもそんな意識を引きずっていても仕方がない。

 

 何よりこれから強力な敵を相手にともに命を預け合って戦うパートナーのようになるのだからもう少しぐらいは親しみを持たなければ……そう思って俺はあの時考えて、結局呼ばなくなったギガちゃんという名前を改めて育て始めた子に送ってあげた。

 ……頑張ろうなギガちゃん……そして今度こそ俺達の盾となり矛となり敵から皆を守ってくれ。




【今回名前が出た動物】

ギガノトサウルス(ギガちゃん)
ケツァルコアトルス(ケツァ君、ケツァ2君)
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