ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第373話

七百七十四頁目

 

 恐らく数日のうちにオベリスクへ挑むための準備は完全に済むはずだ……しかし一足先に俺とオウ・ホウさんは青いオベリスクの元へとやってきていた。

 何故ならばちょうどこの青いオベリスクと、もう一つ緑のオベリスクを起動するために必要なアーティファクトが予備分揃ったためだ。

 何せこの二カ所のオベリスクに嵌め込むアーティファクトが取れる洞窟は、どれも既に攻略方法も手段も確立できている場所であり、効率的に回収できてしまったのだ。

 

 逆に赤いオベリスクを起動するアーティファクトは動物を持ち込みにくい豪雪地帯の二カ所に毒ガスと無数に湧く虫が厄介な所、それに海底洞窟と、攻略方法が確立していてなお敵の物量で容易には進みにくいところばかりなのだ。

 こういう観点から見てもやはり赤いオベリスクだけ起動するだけでも難易度が他の二つとは比べ物にならないと分かった。

 まあそれはともかくとして、恐らくどのオベリスクもその攻略難易度自体は殆どの洞窟……或いは最難関だった豪雪地帯の洞窟をも遥かに上回っている事だろうし、少しでも情報を集めておきたくてこうして先に一度起動しておこうという話になったのだ。

 

 一応何かあった時の為に事前に運搬しておいたギガノト数匹を俺達の護衛として傍に置いてあるが、恐らくはこの地面の上に意味深に円状に広がっている機械の範囲外に出ていれば問題ないだろう。

 だから三つの空いている穴にピタリと合うアーティファクトをはめ込んだ後で、一匹だけ連れてきた実験用の狼を残して範囲外に出るとオウ・ホウさんに弓矢でボタンの部分を射抜く形で押してもらった。

 果たしてボタンが押された途端、アーティファクトが穴の中に取り込まれて行き……思った通り足元に円状に広がっている機械部分の端からモヤモヤとした影のようなものが噴き出し始めた。

 

 それらはまるで半円状のドームを作ろうとしているかのようで、恐らくこれが完全に終わったタイミングでワープするのだろう。

 そう思った俺はちょっとだけその靄に手を伸ばしてみて……何の障害も無く中に通り抜けられることを悟った。

 同時に中にちょっと身体の一部分を入れただけでカウントダウンの様なものが左手首の鉱石から聞こえて来て慌てて元の場所へと戻った。

 

 そうしている間にもモヤモヤした影……というよりこれもホログラム的な映像のようだが、それが完全にドーム状になって機械の周辺を包み込んでいく。

 ちょうど頂点はギガノトより僅かに高いぐらいであり、多分この中に収められれば普通にワープできるのだろう。

 その情報自体もありがたかったが、それ以上の収穫としてドーム状に広がったホログラム映像に移る景色だった。

 

 雪の積もった木々が見えるがこの島で長く過ごしあちこちを探索した俺達にも見覚えのない景色であり、十中八九これはワープした先の環境を映し出しているのだろう。

 ……俺達は飛んだ先で戦う敵のことばかり考えていたけれど、環境がどうのこうのは全く想定していなかった。

 だから一番硬い金属の防具で固めて行こうと思っていたのだが……あれだけ雪が積もっているところを見るとその装備では凍傷になってしまうかもしれない。

 

 もしもそれに気づかないで挑んだら厄介なことになっていたかもしれない……本当に調べておいてよかったぁ。

 こうなると他のオベリスクも調べておいた方がいいだろう……もちろん赤いオベリスクもだ。




【今回名前が出た動物】

ギガノトサウルス
ダイアウルフ(狼)
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