百二十八頁目
日が昇り、とりあえずもう少しだけこの近辺を探索してみようとうろついたところでまたしてもナマケモノに似たあいつと出会ってしまった。
とりあえず迎撃態勢を整えて様子を窺ったが、何故かこの新しい個体は非好戦的でのんびりと寛いでいた。
もちろんあの個体が放っていた怒りのオーラのようなものも見えはしない……あれは一体何だったのか。
疑問に思い少しの間観察してたところで、その答えが分かった。
あのナマケモノの近くを虫が通りがかったところで、急に雰囲気が変わりあの凶暴な個体と同じ状態になったのだ。
恐らくは虫が発するフェロモンか何かが彼の本能を刺激するのだろう……そして虫を倒し終わってもしばらくの間は暴れまわっていた。
それでも時間が経つにつれて落ち着いていき、自然と元の状態へと戻って行った。
あの時急に大人しくなったのはこう言うことだったのだろう。
ようやく謎が解けてほっとしたところで、またしても虫が彼のところへと飛んでいき暴れ出した。
あんな危険や状態の奴とは戦わないに限る、だけど下手に動いて向こうに気づかれたら面倒だ。
虫を殲滅して大人しくなるか、虫を追ってどこかに行ってくれることを願おう。
……しかし妙にこの辺りは虫が多い気がする、どこかに発生源でもあるのだろうか?
百二十九頁目
ナマケモノが虫の群れを追って移動を始めた。
このまま遠くへ行ってくれればいいと思いながら、立ち去るところを見送っていたところで……それを見つけた。
岩と岩のはざまに空いた隙間、そこから虫が湧いて出てはナマケモノが叩き潰している。
恐らくその奥に何か発生源があるのだろうけれど、ナマケモノの体格では入ることが出来なそうだ。
しかしあの隙間、何やら妙に奥行きがあるような気がする……まるで洞窟のようだ。
そう考えたところで前にロックウェル氏の日記で見た内容を思い出した。
ひょっとしてあれが、アーティファクトが隠されているという洞窟なのではないだろうか?
百三十頁目
はやる気持ちを抑えながら、俺はナマケモノが暴れている手前に罠式の建物を作り始めた。
これを利用してあのナマケモノを仲間にしつつ、見えている洞窟のような場所に侵入するつもりだ。
未知の島にある未知の洞窟、そしてその奥に隠されているというお宝……この展開に興奮するなというほうが無理だ。
何より今まで明確な目的を見いだせないでいた俺にとって、お宝探しはいい目標だったのだ。
あれが本当に洞窟で、奥にアーティファクトとやらがあるのならばまた少しはこの島の謎が解けるかもしれない。
海を渡って脱出するのが危険な以上はあの装置にかけるしか……そこで、ふと俺には空を飛ぶ手段があることを思い出す。
テラ君を使って空から脱出するという選択肢が……いや彼は持てる重量に限りがあるしスタミナも意外と少なく小まめに着陸して休憩する必要がある。
もっと力と体力のある飛行生物を見つけられれば話は別だが……まあとにかく今はあのナマケモノと洞窟に専念することにしよう。
【今回名前が出た動物】
メガテリウム(ナマケモノ)
メガネウラ(虫)
ティタノミルマ(虫)
プテラノドン(テラ君)
【今回見つけた洞窟】
SwampCave(免疫の洞窟)