ARK とある青年の日誌   作:車馬超

39 / 1041
第39話

百三十一頁目

 

 今まで通り建物内の隙間から麻酔矢を撃ってナマケモノの注目を引くことで、スロープを通じてこの建物内に落とし込み閉じ込めることには成功した。

 しかしこいつは麻酔耐性が強すぎるのか、麻酔矢で眠る前に矢傷で力尽きてしまった。

 これでは仲間にすることはできない……もっと身体を傷つけずに麻酔効果を与えられるものが必要になりそうだ。

 

 尤も今はそんなない物ねだりしても仕方がない、いずれ方法が思いついたら試すとしよう。

 何より本命はナマケモノではない、洞窟の方だ。

 そっと近づいて様子を見ると、確かに奥の方まで道が続いている。

 

 この奥にアーティファクトが眠っているに違いない……いざ冒険の時だっ!!

 

百三十二頁目

 

 この洞窟の入り口はかなり狭くて、最高戦力のテリ君は愚かレオ君ですら入ることができなかった。

 仕方なく中に入れる大きさのダーちゃんに乗り、後ろからチョウ君を追尾させて中へと入ったけれど少し心細い。

 だから慎重に進んでいくが、中は光源がなく真っ暗闇……というわけでもなくところどころに光るキノコが生えている。

 

 おかげでそこそこ遠くまで見通せるが、それでも足元には注意しないと大変だ。

 おまけにどんな生き物が生息しているかもわからないのだ……この島に限ってここだけ何も生き物がいないなどという楽観的な発想はしないほうがいいだろう。

 果たして何が起こるか、何が出てくるか……不安半分楽しみ半分で進んでいくが、興奮しすぎているのか少し呼吸が苦しい気がする。

 

百三十四頁目

 

 く、苦しいっ!? これはまさか毒ガスかっ!?

 呼吸するたびに胸に痛みが走り、目の前が霞んでいくっ!!?

 これは不味い逃げなければ……そう思うのに無数の虫が襲い掛かってくるっ!!?

 

 巨大トンボに巨大アリ、外で見たのと同じだけれど数が尋常じゃないっ!?

 おまけに何か妙に固くて……クソっ!? 巨大な百足や蜘蛛までもが襲ってくるっ!?

 どうすればいいんだっ!? ああ、呼吸が苦しくて思考がまとまらないっ!?

 

 とにかく逃げようっ!! 逃げるんだっ!! 出口はどこだっ!?

 

百三十五頁目

 

 何とか脱出に成功した……俺一人だけで。

 またしてもダーちゃんとチョウ君を犠牲にしてしまった……死にたくない一心で追いかけてくる虫共にけしかけて一人で逃げたのだ。

 おかげであの二匹が食われている間に俺だけ外に逃げだして、そこで待っていたテリ君に追いかけてきた奴を撃退してもらったのだ。

 

 慎重に進んでいて余り奥に進んでなかったから何とかなったけれど、あと少しでも奥深く入っていたら間違いなく死んでいた。

 どうして俺は学習しないのだろうか……この島は危険に満ちているというのに。

 まして宝が隠されている場所など、あらゆる準備をしてからでないと入るべきではなかったというのに。

 

 ごめんよダーちゃん、チョウくん……はぁ……俺は最低だ。




【今回名前が出た動物】

メガテリウム(ナマケモノ)
テリジノサウルス(テリ君)
ティラコレオ(レオ君)
テラーバード(ダーちゃん・チョウ君)
メガネウラ(巨大トンボ)
ティタノミルマ(巨大アリ)
アースロプレウラ(巨大なムカデ)
アラネオモーフス(巨大な蜘蛛・ゲームオリジナル生物)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。