ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第390話

八百頁目

 

 ついに最後の洞窟……最難関だった豪雪地帯にある強敵ばかりの洞窟へとやってきた。

 これを一人で攻略するのは非常に難しいだろうけれど、ドラゴンに勝つ可能性を少しでも上げるためにもこの程度の難関を乗り越えられるように自分を鍛え上げなければならない。

 防護柵で作り上げた道に従うように進み、敵が見えればアサルトライフルで頭だけを射抜いて処理していく。

 

 相変わらず硬いことこの上ないが、それでも急所を射抜き続ければ流石に倒すことはできる。

 後は飛び出してくる奴にだけ気を付けて……たまにわざと飛び掛からせつつ、こちらに届く前に空中にいるそいつの頭を銃弾で射貫いたりして少しでも腕前をあげるべく努力していく。

 おかげでもう百発百中と言っていい腕になってきたと思う……少しはオウ・ホウさんに近づけただろうか?

 

 彼が俺の身代わりとなってくれたからこそ今があるのだ……その恩に報いるためにも俺はもっともっと強くならないと……身体も、そしてあんな誘惑に負けないように心もだ。

 

八百一頁目

 

 全ての洞窟を単独で攻略し終えたことで、少しは自分の能力に自信が付いてきた。

 身体付きも鍛えられているのがはっきりとわかるほどで、前に着替えているところを見たメアリーが言葉を失って驚いていたほどだ。

 こんな俺をフローラはどう思うのか……そう思ってチラリと右手首の鉱石に視線を投げかけると、まるで褒め称えるかのようにチカチカと光って見せてくれた。

 

 どうやら喜んでくれているようだ……フローラはこうしていつだって俺を見守って、正しい方向へ進んでいる俺を褒めたたえて導こうとしてくれている。

 こんな健気で最も大切な彼女の忠告を無視してまで暴走していた俺はどうかしていたようだ……今ではもうエレメントに魅了されることも無く、歌や温もりを感じることも無くなった。

 ただ現実的な問題としてそろそろエレメントとも向き合うべきなのかもしれない。

 

 洞窟の攻略も終えて、後は素材が膨大で作りにくい設計図の品をどうにか作れば準備が完了するという段になってもまだ俺は何かが足りていないような気がするのだ。

 何せ相手はオウ・ホウさん&ギガノト軍団でも倒し切れなかった化け物なのだ……こちらとしては過剰と思えるほどの戦力を整えておくべきだ。

 しかし高品質すぎる設計図は素材が膨大過ぎて作りにくいことを考えると、これ以上の物品を用意するにはもはやエレメントを加工した品ぐらいしか思い浮かばない。

 

 尤もどんなものを作れるかは未だに分からないけれど……とにかくTEKレプリケーターぐらいは作っておきたいと思うのだが、あれだけ暴走した俺が言い出すわけにはいかないだろう。

 だから代わりにドラゴンに挑む前哨戦として集めたアーティファクトを使って、もう一度緑と青のオベリスクの奴らと戦ってエレメントの数だけは集めておくことにした。

 実際に洞窟で鍛え上げた俺がどこまで強くなっているのか確かめる意味もかねて、今回も一人で挑んでみよう。




【今回名前が出た動物】

ギガノトサウルス
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