ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第407話

八百二十六頁目

 

 豪雪地帯にいるサイを今更ながら仲間にした。

 今までは薬の材料として角を求めて乱獲ばかりしていて、ついつい仲間にするのを忘れていたのだ。

 しかしこいつの角はかなり硬くて、走って速度を載せれば載せるほど恐ろしいほどの破壊力を産み出してくれる。

 

 これは下手したら最高加速した際の威力はギガノト並みかそれ以上になるかもしれない……ただスタミナがないから余り走り続けられないのが致命的だが……。

 おまけに広いところでないと上手く加速できないのもきつい……或いはオベリスクの試練ならば使い道があったかもしれないが、これから挑む洞窟内では恐らく役に立たないだろう。

 また他の場所でもたまに見かけていた犬に似た生き物も仲間にすることに成功したが、こいつもいまさらというべき性能だった。

 

 この犬モドキは群れだと狼のように連携を取ってこちらに襲い掛かってくるが、単独だと怯えて逃げ回るような子だったのでアルケンで掴んで捕獲用の罠の中に放り込んだ上で色々と試したのだ。

 するとこの子も眠らせるのではなく落ち着いた頃にそっと近づいて餌……は食べようとしなかったのだが、何となく俺が撫でてあげたら気持ちよさそうに身を委ねてきたのだ。

 だからそのまま気分を害さないように撫で続けてあげると気が付いたら懐いていて仲間になっていたのだ。

 

 ただこの子はサイズの問題で背中には乗れなそうだし能力もサイズ相応というかラプトル並という表現が一番近いような気がした。

 もちろん数が集まれば群れとしてパワーアップするようだけれど、元の能力が能力なのでやはり一定以上の強さを持った肉食に敵う気はしなかった。

 それでも普通の洞窟ならば大抵連れ込めるサイズなのと数の暴力でそれなりに役立っただろうけれど、恐らくこれから挑む洞窟は強敵ばかりだろうし、やっぱり今更感が強い。

 

 ……もっと早く色んな動物を仲間にしようとしていればこの子達にも活躍の場を与えられたかもしれないのに……まあ例の洞窟を無事に攻略し終えて地上に戻ってこれたなら、その際にでも新人たちの活用の方法を考えていくとしよう。

 

八百二十七頁目

 

 くそ、まだこんな厄介な生き物が残っていたなんて……。

 どうやらまた始祖鳥と誤認していたようだが、この鳥は前の二種類とは決定的に違う厄介過ぎる能力を持っていた。

 何せこいつは動物の背中に乗っている俺を見かけると一直線に飛び込んできて、頭を打ち気絶させようとしてくるのだ。

 

 おかげで動物の上から叩き落とされた上に少しの間だが意識が朦朧としてしまい、結構ヤバい状況に陥ってしまった。

 まさか洞窟やらオベリスクやらを攻略した後の俺が普通の島の上でこんな不覚を取るなんて……念のために捕獲しようと悠長にライフルを取り出そうとしていたのが原因だが、まだまだ修行が足りないな。

 尤もこいつは騎乗している俺しか狙っていなかったため、乗っていた動物は普通に動けたからその子が俺を守ってくれて事なきを得たのだが……しかしまさか豪雪地帯にある強敵ばかりの洞窟にいた穴から飛び出してくる奴のような真似をしてくる奴が他にも居るなんて……。

 

 ……ひょっとして火山の中にある洞窟内には難易度を上げるためにこいつや穴から飛び出してくるような動物がわんさかいたりするのだろうか?

 今まで潜り抜けてきたこの島の試練の恐らく集大成であろうし、可能性は否定できない……というかあり得そうな気しかしない。

 そう思うと予め警戒すべき生き物を知れた今回の経験は良い事だったようだ……本当に知らない生き物には警戒していこう。 

 

 ちなみにこの鳥も問題なく眠らせて仲間にすることはできた……のだが、当たり前だが仲間になった後も動物を気絶させるような真似はできなかった。

 恐らく動物に乗っている人間相手なら同じような真似が出来るのかもしれないが今現在敵対している人間が存在しない俺達には無意味すぎる能力だ。

 ……いや、今後もこの島で住んでいくとなるといずれはまた他人も増えていくのかもしれないし、その際にまた危険な人間が来ないとも限らないし意外と役立つ場面は来るかもしれない。

 

 ただそれを考えるのは今ではない……今の俺が考えるべきは火山の中にある洞窟の攻略についてだ。




【今回名前が出た動物】

ケブカサイ
ギガノトサウルス
ヒエノドン(犬もどき)
ユタラプトル
ミクロラプトル(始祖鳥)
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